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全校が出揃う7日目までの注目選手!
第一印象は「好投手が揃った」大会。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/08/06 11:00

全校が出揃う7日目までの注目選手!第一印象は「好投手が揃った」大会。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

49校の代表が、1校の勝者と48校の敗者に分かれる甲子園。今年も、夏がやってくる。

打率5割超えが3人いる作新学院は6日目に登場。

 前評判の高低だけでなく、地域的にも東西にうまくばらけて、面白いカードが目白押し状態。個人的には初日の第3試合に登場する九州国際大付のエース、藤本海斗の力強いストレートをネット裏からしっかりと目に焼きつけたい。

 4日目の第1試合では堀の広島新庄が関東の強豪、関東一とぶつかる。超高校級はいないが東東京大会の準々決勝以降、1点差ゲーム2試合、3点差ゲーム1試合を勝ち抜いた粘り強さは堀には要注意だろう。同日の第4試合はエースの高橋と、岡崎大輔、楠本晃希の中軸が得点力を秘める花咲徳栄が大曲工と対戦する。チーム打率.197で勝ち抜いた大曲工がどんな野球をするのか非常に興味深い。5日目の第2試合で中越と富山第一が対戦するが、これが隣接地域同士としては唯一の試合である。

 6日目の第3試合には最速149kmの今井達也と、打率5割超えを誇る山本拳輝(遊撃手)、小林虎太郎(外野手)、入江大生(一塁手)の作新学院が尽誠学園と対戦する。さらにその直後には初戦の中で最も好カードと言っていい常葉菊川対秀岳館が控えている。

 常葉菊川の1番栗原健(外野手)はフルスイングを身上とし、静岡大会ではチーム最多の3本塁打を放っている。それに対して九鬼隆平を中心にチーム打率.405と破壊力を秘める秀岳館は選抜4強でもわかるように甲子園での戦い方を熟知している。機動力を駆使した打撃戦が期待できそうだ。

初戦最終日には、木更津総合が登場。

 全校が出揃う7日目の第1試合は早川がマウンドを死守する木更津総合が唐津商の、第2試合では超高校級捕手、古賀優大が攻守の要となる明徳義塾が境の挑戦を受け、第3試合ではエース高田がチームの命運を握る創志学園が対戦相手の決定を静かに待つ。

 毎日、優勝候補、伏兵や超高校級の評価を受ける投手や野手がひきもきらず登場する。昔知り合いの編集者が、甲子園で野球を見る快感を「甲子園浴」という言葉で表していたが、何とも言い得て妙である。リオデジャネイロ五輪と日程が見事にかぶるが、高校野球の人気が広く再認識される夏になると信じている。

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