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都市対抗のプロ候補投手11人。
ストレートと、もう1つの条件とは? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2016/07/21 11:00

都市対抗のプロ候補投手11人。ストレートと、もう1つの条件とは?<Number Web> photograph by Kyodo News

JR東日本の田嶋大樹は、都市対抗で167球の熱投を見せた。

速いストレートと、もう1つの絶対条件とは?

 それぞれストレートによさがあり、森脇、鈴木、藤井、宝利、山本、山田はキレや伸び、森原、北出、近藤、玉井、大竹はボールを押さえ込んで低めにコントロールできるという特徴がある。それぞれよさがあるが、私が魅力を感じたのは森原、北出のストレートだ。

 森原は小さなテークバックから下半身主導で投げにいく形が、涌井秀章(ロッテ)によく似ていて、球種の少なさが気にならなかった。北出は昨年もストレートの速さで目立ったが、体に密着して腕を振る形や、指にかかったときのストレートの伸びは今年のほうがいい。プロへ進めばリリーフ投手として起用されそうだ。

 リリーフ投手の絶対条件は、速いストレート以外にもう1つある。それは打者を圧倒する変化球が1つあること。近藤のチェンジアップが条件にかなうが、近藤は多彩な変化球を操って6回以上のイニングをまかされる先発タイプ。この原稿のテーマにはそぐわない。

 そう考えると、昨年の山崎康晃(亜細亜大→DeNA)のように、リリーフ投手としてプロで即戦力の働きができる投手はいないということになる。

 しかし、それでいいのではないか。社会人選手に私たちは過剰にプロで即戦力の役割を期待するが、1、2年の猶予期間を経て大きく化ける吉見、金子のようなプロセスを踏む投手がもっといていい。

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