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清武移籍セビージャで嵐の体制変更。
コパ優勝監督の就任で更に攻撃的に。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2016/07/20 11:30

清武移籍セビージャで嵐の体制変更。コパ優勝監督の就任で更に攻撃的に。<Number Web> photograph by AFLO

清武弘嗣もまた、敏腕モンチが連れて来た選手の1人である。攻撃的なスタイルも彼の特徴は活きそうだ。

清武弘嗣は2列目でライバルとの競争が始まる。

 そんなテクニカルスタッフたちの意見に耳を貸し、モンチが集めてきた選手の強み・弱みを確認したサンパオリは、いま複数のフォーメーションを試しているという。

 基本は3バックで3-4-1-2に3-4-2-1、3-4-3に3-2-3-2。形の上ではディフェンダーが増える4-3-1-2や5-3-2も使い、試合中の陣形変更もあり得るらしい。

 リーガ初挑戦の清武弘嗣は、地元の記者の見立てでは2列目で起用されそうだが、サンパウロから移籍してきたガンソやパレルモから加入したフランコ・バスケス、昨季ヘタフェで7得点しているサラビアなどライバルは多い。戦術理解と意思疎通が重要なスタイルなので、スタッフやチームメイトと積極的にコミュニケーションをとることがポジション確保のカギとなるだろう。そのためには少しでも早くスペイン語を習得しなければならない。

 と、ここまでサンパオリのセビージャに肯定的なトーンで書いてきたが、彼が南米の外でチームを率いるのは初めてという点を突いて、モンチの選択に懐疑的な視線を向けるメディアもある。

 実際のところリージョの入閣はそのリスクを抑える意味もあるのだろうが、 問われたモンチはこう答えた。

「エメリの続投は新たなタイトル獲得を保証するものではなかったし、サンパオリの就任でタイトルは獲れなくなるというものでもない。セビージャの未来は監督の働きと、彼の哲学に順応できる選手を我々が見つけ、連れてこられるか否かに懸かっている」

 サンパオリは当たりか外れか。いずれにせよ、極端に攻撃的なセビージャは新シーズンの楽しみのひとつだ。

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