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「不調=マイナス思考」は本当か?
松山英樹に参考にしてほしい46歳。

posted2016/07/19 11:20

 
「不調=マイナス思考」は本当か?松山英樹に参考にしてほしい46歳。<Number Web> photograph by AFLO

5月のプレーヤーズ選手権7位を最後に、予選落ちが続き苦しんでいる松山英樹。今はまだ、問題の所在を探す段階だ。

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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AFLO

 ロイヤルトゥルーンで開かれた全英オープンで「72-78」と崩れ、予選落ちした松山英樹が2日目のプレーを淡々と振り返っていた。

 5番でバーディーを先行させながら6番で3パットしてボギーを喫した。

「そのあとの7番でバーディーパットがうまく打てなかったとか、言い出せばきりがない。自分の今のゴルフが、そのまま出ちゃってる感じです」

 8番でもボギーを叩き前半を1オーバーで折り返すと、10番からは3連続ボギーを喫した。

 ちょうどそのころ風雨が強まり、他選手も軒並みスコアを落とした。そのおかげで、すでに通算5オーバーだった松山にも予選通過の可能性が巡ってきた。しかし終盤も3連続ボギーを喫し、彼の全英オープンは、わずか2日間で終わってしまった。

「10番でバーディーは取れなくてもフツウにパーが取れれば、もうちょっとすんなり行けたと思うけど、うまくいかなかった。(OBを打ちながらナイスボギーに収めた)11番はかなりポジティブになりました。そのあとの3ホールでいいパーをセーブして、16番で取れれば、まだわからない状況だったけど……。その16番でボギーを打ってるようじゃ話にならない。風を読めなかったのも悪いし、あそこのバンカーに入れてるようじゃ。そこからパーセーブできないのも話にならない。そういうのが最近、ずっとある」

 あれもダメ、これもダメ、話にならないと吐き捨てた松山。確かに、ミスは多かった。だが、そのミスの合間に何かしら良かったものはなかったのか。今は悪いものばかりが目について、良いもの、見つめるべきものが見えなくなっているのではないか。

 そう思えてならなかったけれど、自信を失いかけた様子で落胆しきりの松山に、そう問いかけることは躊躇われた。

2カ月見つからない「何で?」の答え。

 ロイヤルトゥルーンの2日間、最も狂いがちだったのはアイアンショットだった。グリーンに届かなかったと思えば、次はグリーンを大きくオーバーした。

「昨日も後半は良くなかったし、今日も後半になって、もっとひどくなった。何でかわからない。何でそういうことが起きているかをしっかり考えたい」

 これから考えるというよりも、この2カ月ほどの間、松山はすでに「何で?」の答えを探し続けてきたのだと思う。しかし、その答えがなかなか見つけられず、見つけきれないうちに次の試合がやってきてしまう。

【次ページ】 次に予選を通るまでは「マイナスに考えても仕方ない」。

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