オリンピックへの道BACK NUMBER
パイオニアがやり残したものとは。
フェンシング・太田雄貴の集大成。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2016/07/11 07:00
リオ五輪が自身にとって最後の五輪だと語る太田。センターポールに日の丸を掲げることはできるか。
団体での出場権を獲れなかったからこその覚悟。
自身の意欲に加え、新たなモチベーションも加わった。
世界選手権で金メダルを獲得したあと、太田は、出場権争いで瀬戸際にあった団体に力を尽くしたいと語っていた。日本フェンシング界のリーダーとしての自覚と責任から、見過ごすわけにはいかなかった。
だが、奮闘むなしく、出場権を得ることはできなかった。ロンドンでの栄冠をつなぐことはできなかったこと、後輩たちを連れて行けなくなったことを意識するからだろう、太田はこう語っている。
「みんなのためにも勝ちたい」
太田は、オリンピックはリオデジャネイロが最後であり、2020年の東京五輪は考えていないことも明らかにしている。
キャリアの集大成となる大会で、どのような戦いぶりを見せるか。
自身のために、そして仲間、日本フェンシング界のために戦うパイオニアの姿が注目される。