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EUに続きEURO“離脱”で悪夢の1週間。
イングランドは生まれ変われるのか? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2016/07/01 11:10

EUに続きEURO“離脱”で悪夢の1週間。イングランドは生まれ変われるのか?<Number Web> photograph by AFLO

采配術に疑問の声が続出したホジソン監督は敗退後に退任を表明した。

ホジソン、キャメロンともにリーダーシップが欠如。

 もっとも、諸悪の根源がリーダーシップ不足にある点は共通だ。4年契約の集大成となるべき今夏のEUROで失態を演じたホジソンは、肝心の本大会で最強布陣からして手探り状態。チームをどう導いてよいのかさえ把握できていないようだった。ホジソンと同様、EU残留に失敗した英国政府は、高を括っていた当初の姿勢が手遅れの事態を招いた。

 そもそも党内の反EU派を黙らせるため、国民投票を決めた首相の判断からして楽観的すぎたと言える。

「懲りずに」という表現が適当かどうかは今後の成り行き次第だが、プレミアリーグもEU離脱の影響に関しては楽観的だ。リーグは「国内外におけるアピール度の大きさは変わらない」とする声明文を国民投票直後に出している。

「大陸側の選手は移籍を敬遠するのでは?」との声。

 一方、欧州大陸からはイングランドに向けてある警告が発せられている。それはEU圏内の「自由な人の流れ」が制限されることになるという点で、サッカー界に影響を及ぼすことになりかねない。「大陸側の選手は移籍を敬遠するのでは?」と言っているのは、元チェルシーのジャンフランコ・ゾラだ。プレミアにおける外国人労働者の中でも歴代最高の部類に属する人物が懸念するのも仕方ない話だ。

 EU国籍選手の移籍が、労働ビザを必要としない現在よりも難しくなることは間違いない。現行の非EU国籍選手に対する条件がそのまま適用されることになれば、祖国のFIFA(国際サッカー連盟)ランクに応じて、最低でも30%(ランキング10位以内)、最高は75%(31-50位)という、申請前2年間でのA代表戦出場率がビザ取得条件として求められることになる。

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