磨きがかかった向上心。

「前半見ていた感覚だと、高さがあって懐が深いのは一目瞭然。18番の選手（ジュリッチ）は高さもあるし、足下もある。ボールの置き所が上手いと感じたので、その良さを消す守備をしようとした。自分のフィーリングは良かった」

　豊田スタジアムで見せた表情とは一変していた。そこにはもうワンステップ上に上がった彼の姿があった。

「CBとボランチをより高いレベルでこなすには、何が必要かを改めて学ぶことができた。特にボランチで出たときに、90分間のフィジカルベースを上げないといけないし、こういう高いレベルで動く中で1対1の駆け引きで優れるように、もっと細部までこだわらないといけないことも」

　成長した自分と、未熟な自分に出会えたことで、彼の向上心はさらに磨きがかかった。この後、彼にはリオ五輪がある。教訓をしっかりと生かし、自分を積み上げていくサッカー人生の一つの成果を示す、格好の舞台だ。リオでの彼の姿を通して、今回の2試合の真価を見ることができるはずだ。