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1990年代のセリエはヴィンテージだ。
イタリア発の“懐古趣味”が日本にも?

posted2016/06/02 10:40

 
1990年代のセリエはヴィンテージだ。イタリア発の“懐古趣味”が日本にも?<Number Web> photograph by Takashi Yuge

どれもこれも懐かしいユニフォームばかり。あなたはいくつわかりますか?

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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Takashi Yuge

 コッパ・イタリア決勝戦のあった5月21日、ローマ郊外にあるオスティアという町で、一風変わったサッカーイベントが催された。

 イベントの名前は「セリエA オペラツィオーネ・ノスタルジア(=オペレーション・ノスタルジー)」、テーマはずばり“1990年代のセリエA万歳!”。

 往年の選手たちを集めたエキシビジョンマッチを観戦しつつ、当時のレプリカ・ユニフォームを着て、スタジアムの熱狂を思い出しながら楽しく騒ごう、という趣旨だ。

 会場となったアマクラブのグラウンドには、地元ローマの2大クラブはもちろん、「SONY」の文字が胸に誇らしいユベントスや「Nintendo」時代のフィオレンティーナ、果てはレッチェやサレルニターナといったマイナーな地方クラブまで、多彩な“懐かしユニ”を着た総勢1500人がイタリア全土から詰めかけた。遠くはロンドンやカナダから駆けつけた参加者もいたらしい。

 中田英寿が鮮烈デビューを果たした当時のペルージャや、ジュビロ磐田の名波浩監督がかつて1年だけ在籍したベネチアのユニも会場で見かけることができた。

 最寄のローカル線駅から、バラバラの“懐かしユニ”が「どこから来たんだ?」、「俺もイベントに行くところさ」などと声を掛け合いながら、会場へ集まっていく光景は、奇異ながらも胸躍るものだった。

若者が思いついたお遊びが、大反響を呼んで。

 元々、ミラノの若者グループがパブで思いついたお遊びが発端だった。フェイスブック上で多くの共感を集め、昨年9月にミラノでゲリラ的に行った最初のオフ会が反響を呼んだ。ならば、とサッカー選手会の協力も仰いで、この日の第2回開催となったものだ。

 エキシビジョンマッチには、かつて中田英とともにスクデットを獲った元ローマのDFアウダイールや、現U-21イタリア代表監督であるディビアッジョらが参加し、やんやの喝采を浴びていた。ベンチに座ったのは、今季もパレルモで指揮を執ったノベリーノとボローニャで指揮を執ったデリオ・ロッシの現役監督2人だ。

 公式戦ではないから、発煙筒をどれだけ焚こうがお咎めなし。当時流行った応援ソングに声を上げ、スタジアムには不可欠の放送禁止用語を連発しても、眉をひそめる類の人間はその場にはいない。

 タンスの奥に仕舞い込んでいた、とっておきの1枚に再び袖を通す大義名分を与えるイベントは、これまで存在しなかった。

【次ページ】 選手達にとっても、1990年代のセリエは特別だった。

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