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ロンジンが見通したテニスの未来――。
フューチャーテニスエース大会詳報。
~加藤智子が準決勝まで進む快挙!~

posted2016/06/03 16:00

 
ロンジンが見通したテニスの未来――。フューチャーテニスエース大会詳報。~加藤智子が準決勝まで進む快挙!~<Number Web> photograph by LONGINES

慣れないクレーコート、言葉の壁というハンデをものともせず準決勝まで進出した加藤。

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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 うんざりするほど雨に荒らされた今年の全仏オープン期間中にあって、天気予報に反してカラリと晴れた数日間、パリ郊外でもう1つのトーナメントが行なわれていた。

 ロンジン フューチャーテニスエース――。

 世界16カ国・地域から集まった13歳未満の将来有望な選手たちが頂点を競うジュニアトーナメントだ。

 全仏オープンのオフィシャルパートナーとタイムキーパーを務めるロンジンが主催し、今年で7回目を迎える。

 会場は毎年変わるが、今年は新凱旋門があるパリ郊外の『ラ・デファンス』。

 パリ市内ではあまり見ることのできない高層ビルや大型のショッピング施設などが集積した都市再開発地区である。この一角に特設された、全仏オープンと同じような“クレーコート”が戦いの舞台だった。

日本からは12歳以下の部でベスト4の加藤智子が参加。

 年ごとに男女交互に開催され、今年は女子。今回の参加国・地域は、フランス、スペイン、スイス、イタリア、ポーランド、ロシア、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、中国、日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、インド。日本からは、昨年の全国小学生大会や全日本ジュニア12歳以下の部でベスト4となった加藤智子(MTSカラバッシュTS/大阪)が出場した。

 全員が同じホテルに宿泊しながら同じプログラムを経験する1週間。トーナメントに先駆け、2日間にわたるアカデミーが開催された。ここでクレーコートのプレーに慣れるためのコーチングを受ける。

 今回は、全仏オープンで3度の優勝を誇るアランチャ・サンチェス・ビカリオが常任コーチ2名とともに直接指導にあたった。

 赤土のコートは南ヨーロッパや南米に数多くあるが、日本で慣れ親しむ機会は多くない。加藤も「クレーで練習することはほとんどない。なかなか(ウィナーが)決まらないので、どっちかというと好きじゃない」と言っていた。

 しかし1回戦でポーランドのアダ・ピエストルジンスカに4-1、4-1のストレートで勝利。

 なお、試合方式は1セット4ゲーム先取、ノーアド、4-4タイブレークで、セットオールになった場合はタイブレークで勝敗を決める。立ち上がりのサービスゲームでいきなりダブルフォルトを2本続けた加藤だったが、「ポイントが取れるようになって、だんだん落ち着いてきた」と話し、相手を突き放した。

【次ページ】 準決勝でロシアのボルガプキナに完敗した加藤だが……。

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