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オシムが語る、EL&CL決勝への思い。
欧州最新事情にモウリーニョの影が。

posted2016/05/27 10:40

 
オシムが語る、EL&CL決勝への思い。欧州最新事情にモウリーニョの影が。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ジェリェズニチャルの監督時代の1985年、UEFAカップ(現在のUEFAヨーロッパリーグの前身)準決勝まで進んだこともあるオシム。

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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Takuya Sugiyama

 15年ぶりに決勝に進んだリバプールを破り、セビージャが自らの記録を更新する3年連続5度目の優勝を遂げたUEFAヨーロッパリーグ決勝。
 そして、2年ぶりのマドリードダービーとなったUEFAチャンピオンズリーグ決勝。
 今季ヨーロッパ・クラブシーンの総括ともいえるふたつの決勝をイビチャ・オシムが語った。

 5月18日におこなわれたヨーロッパリーグ決勝は素晴らしい試合だった。

 誰もが望んだ通りの好ゲームであり、サッカーの面白さ・素晴らしさを余すところなく伝えるゲームだった。

 近年、何度も優勝経験のあるセビージャが再び決勝に進んだ。それはセビージャにとって、リバプールに対するアドバンテージだった。リバプールは長い間、ヨーロッパでの活躍から遠ざかり、久々に進んだ決勝では勝利へのプレッシャーもとても大きかった。彼らは長年にわたり、何も成し遂げていなかったからだ。ユルゲン・クロップにとっても、それは難しい仕事だった。

 セビージャには、失うものはなにもなかった。

 彼らはすでに複数のタイトルを得ている。それにあとひとつ加わろうがなかろうが、そう大きな違いはない。特別なことでもない。彼らは慣れており、しかもコンパクトで成熟したチームを構築している。選手のクオリティも高く、決勝は勝利に値する内容だった。

リバプールらしくもなく、クロップらしくもなく……。

 リバプールにはちょっと失望した。

 私からすれば、彼らは慎重になりすぎた。負けることを恐れてリードを守り切ろうとし、まるで引き分けでもいいような戦い方だった。ここまで徹底して攻撃的なサッカーを実践してきたクロップのスタイルではなかった。チームもまた、そんな戦い方に慣れてはいなかった。

 リバプールはミランとの2005年トルコ・イスタンブールでのチャンピオンズリーグ決勝――0-3から追いつきPK戦でミランを破った試合以来、自分たちは何かを成しうるという自信を持ち続けていた。だが、ある瞬間に持ちこたえられずに、違いも作り出せなかった。

 セビージャはそこをうまく利用した。

【次ページ】 英独の違いを、クロップは理解しているか?

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