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競馬界で一人勝ちの超巨大牧場。
ノーザンファームの内部に潜入! 

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/05/24 12:00

競馬界で一人勝ちの超巨大牧場。ノーザンファームの内部に潜入!<Number Web> photograph by Asami Enomoto

国内最大級の牧場であるノーザンファームは1994年に創立された。ここで生産された名馬たちのリストを見ているだけでも楽しい。

雪降る冬でもOK、効率よい調教環境。

 モニターが複数立ち並び、ハロン毎のラップも確認できる。空港牧場のものは900m、早来牧場の方は800mの長さがあり、それぞれ傾斜が異なっている。この施設のおかげで、雪が降る冬でも調教が可能になり、より効率よく鍛え上げることができるようになったという。

 路面にはウッドチップが敷かれ、クロカンコースのようになっている。不整地を走らせる事で、馬の走りのバランスを整える目的だそうだ。ちなみにこのコースは毎年行われるハーフマラソンのコースにもなっていて、人間が走ることもあるのだとか。

 坂路を駆け上がってくる馬たちを真剣な目で見つめているのは、厩舎長らのスタッフたちだ。

「大切なのは馬の変化に敏感に気づいてあげること。各馬に合ったやり方があって、正解はひとつではないんです。その馬がいまどういう状況なのか、疲れているのか、元気があるのか。毎日しっかり観察して、気づいてあげる事が一番大事なんです」

「歩いて移動することはほとんどない」

 続いて案内されたのが、車で5分程走ったところにある1200mの屋外直線コース。屋内坂路ができるまでは空港牧場の代名詞だったという。こちらも1ハロン毎の記録測定ができる。傾斜が坂路よりも緩いため、負荷を落とした調教ができることに加え、外の環境に馬を馴れされる意味もあるのだという。

 他にも1000mのダート屋内周回コースや、500を数える馬房など、空港牧場だけでも様々な施設が存在した。そして、それぞれの施設間の移動は車が無いとままならない。東京出身のスタッフが、

「歩いて移動することはほとんどないですね。こっちにきたら、めっきり歩かなくなりました(笑)」

 と苦笑いするようにその規模は圧倒的だ。空港牧場の各施設を見て回るだけで半日以上かかり、本丸の早来牧場にも同様の施設が存在するのだから、テーマパークもびっくりの広さである。

【次ページ】 「内部で働いていても全容がよくわからない」

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