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桜花賞に「出なかった」馬の別格さ。
オークスは準備万端のチェッキーノ! 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/05/21 08:00

桜花賞に「出なかった」馬の別格さ。オークスは準備万端のチェッキーノ!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

桜花賞を回避する、というチェッキーノ陣営の決断は、オークスの距離への適性を確信していたからこそだ。

前から行く馬の中に有力馬がちらほら。

 オークスに狙いを定めてきた、という点ではエンジェルフェイス(父キングカメハメハ、栗東・藤原英昭厩舎)も同じだ。3月のフラワーカップを勝ったのに桜花賞に使わなかったのは、藤原調教師によると、成長を待ちながらの調整になったからだという。フラワーカップのように単騎逃げの形になれば、ひょっとするかもしれない。

 オークスに直結するレースとして知られる忘れな草賞を勝ったロッテンマイヤー(父クロフネ、栗東・池添学厩舎)も、前々で競馬をするのではないか。ノーザンファームの生産馬に良血でない馬はいないのだが、祖母ビワハイジという特別な血が、大舞台で一気に花ひらくことも考えられる。

 穴として面白そうなのは、その忘れな草賞で2着に敗れるも、次走の矢車賞を勝ち、その後抽選をくぐり抜けたペプチドサプル(父マンハッタンカフェ、栗東・木原一良厩舎)だ。デビュー2戦目で重賞のアルテミスステークスで4着になり、つづく阪神ジュベナイルフィリーズでも4着。その後も4、3、2着と善戦しながら勝ち切れないレースがつづいたが、こういう善戦タイプが、距離が延びたとたん変身し、甘さが鋭さに転じることがままある。

 トライアルのスイートピーステークスを勝ったジェラシー(父ハービンジャー、美浦・菊沢隆徳厩舎)も、伯父に'04年の阪神大賞典、'05年の京都大賞典などを勝ったリンカーンがいる長丁場向きの血統だ。

桜花賞に「出なかった」別格さを推す。

 ここで結論。

◎チェッキーノ
○シンハライト
▲アットザシーサイド
△エンジェルフェイス
×ペプチドサプル
注ジェラシー

 チェッキーノが前走の直線で見せた強烈な脚が忘れられず、本命にした。普通は、早くからGI戦線で戦ってきた馬のほうが、トライアルでギリギリ権利をとって出てくる馬より数段上と見るべきなのだが、この馬は、桜花賞に「出られなかった」わけではなく「出なかった」のだから、別格だ。

 おそらく、直線では桜花賞上位組と凄まじい叩き合いになるだろう。

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シンハライト
チェッキーノ

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