争奪戦が起きた永木亮太と、後に続く三竿雄斗。

　現在鹿島に所属する永木亮太は、川崎フロンターレU-18からトップ昇格を果たせず、中央大学に進学した選手だった。中央大時代はチームの中心選手ではあったが、年代別日本代表やユニバーシアードには選ばれていない。だが、彼の抜群のポジショニング、状況判断能力、そしてミスの少ないプレーと、玄人好みの能力に湘南が目をつけ、大学4年生だった2010年に特別指定選手として、J1リーグ11試合に出場させている。

　翌年クラブに正式加入すると、ボランチとして攻守の要となり、毎年ビッグクラブへの移籍が噂されるまでの選手となった。大学時代には想像もできなかったJ複数クラブからの争奪戦の末、今季から鹿島でプレーすることになった。

　そして今、その永木と同じルートを辿ろうとしているのが、三竿雄斗だ。

　三竿も永木同様に、東京ヴェルディユースからトップ昇格が叶わなかった選手だ。その後は勉学に励み、早稲田大学に見事進学。大学2年時に左サイドバックのレギュラーを獲得し、3年時には大学日本一にも貢献した。彼もまた、年代別日本代表、ユニバーシアードの代表歴がない。だが、その高い献身性とスプリント力、対人能力の高さを湘南に買われ、2013年に湘南の特別指定選手になりナビスコカップでの2試合出場を果たす。

　翌年、大学を卒業して湘南に加入。すぐさまチョウ監督に抜擢され、3バックの一角として、いきなりJ2で40試合に出場。遠藤、永木、三竿らの活躍で、チームは圧倒的な強さでJ2を制した。今年も守備の中心的存在として、湘南の3バックに君臨する三竿。彼も間違いなく、シーズン終盤以降は他クラブからの争奪戦が起こるような選手になるに違いない。

次世代の有望株、齊藤未月と神谷優太。

　そして、話は齊藤と神谷に戻る――。

　まさに彼らは、チョウ監督が見初めた次世代の有望株である。齊藤は湘南ユースに所属し、神谷は今季、青森山田高校から加入した。チョウ監督は神谷を3月20日のJ1ファーストステージ第4節・浦和戦の後半37分に投入し、リーグ戦でプロデビューを飾らせた。齊藤は、3月27日のナビスコカップ・名古屋戦でデビューをさせている。

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