五輪代表チームで考えていた裏へのプレー。

　くしくもそうしたプレーは、五輪代表チームの手倉森監督と、カタールでのU-23アジア選手権の際に話したプレーでもある。

　監督からは、カタールでの大会中にも南野がそうしたプレーを見せていたのは気づいていて、チームとしてそれを活かせなかっただけだから、今後もそうしたプレーを続けて欲しいと言われていたという。

　そして、「アジアのチームを相手にしたときよりも、五輪で対戦するようなチームを相手にしたときの方がそうしたプレーは効くはずだ」とも言われた。

　もちろん、五輪代表のためにザルツブルクでプレーしているわけではない。ただ、普段から所属チームでやっているプレーこそが、代表チームに戦いの場を移したときに活かされる。

二桁ゴールの喜びもほどほどに、課題を挙げた。

　実際、後半になるとザルツブルクは次々とチャンスを作っていき、72分のオーバーリンのゴールで逆転した。

　その後も南野を筆頭に何度もペナルティエリアでフリーになるチャンスがあったが、ボールを持った選手の判断、ラストパスやクロスの精度を欠き、追加点は奪えなかった。ただ、試合は2－1でザルツブルクが逃げ切ることに成功した。

「ちゃんと集中していれば絶対に点を獲れたシーンばかりだったし。そういうところは周りに要求していかないといけないし、自分も（そういうプレーを）続けなければいけないと思っています」

　今シーズンのゴール数をようやく二桁に乗せた喜びもほどほどに、試合後の南野は課題を口にした。

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