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<挑戦のペダルを踏め> 片山右京 「シャンゼリゼを夢見て」 ~The Challenging Cycle Racers~

posted2016/05/19 11:00

 
<挑戦のペダルを踏め> 片山右京 「シャンゼリゼを夢見て」 ~The Challenging Cycle Racers~<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Atsushi Kondo

日本国内で圧倒的な強さを見せレース界に新風を巻き起こすTeam UKYO。チームの指揮を執る監督に自らを動かす原動力と、今後の目標を尋ねた。

 走る人と、沿道で応援する人。言い換えれば、夢を実現する人と、夢を見たい人。

 人はその両者に分類されるとしたら、ほとんどの人は後者だ。そして、ごく一握りの前者、それが片山右京である。

 片山は常に走り続けてきたし、そんな彼に我々はいつも夢を託してきた。1992年、28歳のときに片山はF1デビューを果たす。6年間、F1のシートを経験した後は、'99年にル・マン24時間耐久レースで2位に入るなどモーターレーサーとしての夢の続きを追った。そして30代後半、昔から好きだった登山に軸足を移し、マナスルなど世界に14座しかない8000m峰のうち3山に完登。40代半ばになると、今度は登山の練習の一環だった自転車に入れ込み、自分が走るだけでなく、'12年に自転車チーム「チーム右京」を立ち上げた。

 片山が見定めた次のゴール――。それはサッカーW杯、夏季五輪と並び世界三大スポーツと呼ばれる自転車ロードレースの最高峰ツール・ド・フランスに出場することだ。9人でチームを編成し、23日間で高低差2000m以上の約3300kmもの距離を走破する。同レースに出場した日本人は過去4人いるが、日本のチームが参戦したことは一度もない。その歴史的偉業に向けて、片山はすでに走り始めている。

ヨーロッパのビッグレースで活躍した経験を持つスペイン人選手が5名在籍。5年以内のツール・ド・フランス出場に向け、汗を流す。

「エベレスト登山で言えば、羽田空港に着いて、これから飛行機に乗るところかな。できるかできないかって言ったらできるし、やるかやらないかと言ったらもうやるしかない」

 片山がこれまで登頂した最高峰の「山」はF1だった。どんな山の頂きを見上げても怯まないのは、その体験があるからだ。

「高校生のとき、絶対にF1ドライバーになるんだって決めた。高校生なりに、けっこう大変なこともわかった。実力だけじゃなく、運も必要だと思ったしね。10代、20代は、そのためだけに突っ走った」

【次ページ】 ゴールまでの地図ははっきり描けている。

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