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原口元気が考えるW杯とCLの関係性。
「オレも20歳ちょっとのときは……」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2016/05/07 10:00

原口元気が考えるW杯とCLの関係性。「オレも20歳ちょっとのときは……」<Number Web> photograph by AFLO

原口元気のフィジカルコンタクトの思い切りの良さは際立っている。体格で上回る相手にも、決して引かずに真っ向勝負なのだ。

W杯のためにも、CLのテンションは経験したい。

「良い練習でしょう? 毎日こうやってガツガツ練習が出来るから、強くなれると思います。こういう練習にももう慣れて、それが普通になっている。コンディションも落ちていないし。むしろ、これからはこのレベルでも余裕を持ってやっていきたいというイメージなんですよ」

 原口はそう話し、長期的な視点に立ったトレーニングについても言及した。しっかりとした根拠を持ってトレーニングに臨んでいるから、目の前のタスクに全力を向けられるのだろう。

 原口は、練習前日に行われたバイエルン・ミュンヘンとアトレティコ・マドリーのCL準決勝を、興奮しながら見ていたという。

「TVで見ていても、すごく面白かった。ああいうのを見てしまうと、せっかくここまで来たから、ELではなくてCLに行きたいですよね」

 もちろん、単純な憧れからだけではない。以前も、彼はCLに出る意義を日本代表と絡めてこう話していた。

「やっぱり、CLに出られればすごく大きな経験になると思うから。リーグ戦とは明らかに違うテンションでやっているし。ああいうテンションの試合がW杯の試合でもあると思う。たとえばW杯をイメージしたときには、リーグ戦だけではやっぱり足りないとも感じる。だからCLの出場権を獲りたいんですよね」

昨季は最終節で残留を決める状態だった!

 ヘルタには、今週ホームでダルムシュタットと、そして翌週の最終節ではアウェーで、EL出場を目指しているマインツとの試合が控えている。ボルシアMGとの得失点差は13点も離れているため、ヘルタは2連勝しつつ、ボルシアMGが勝ち点を取りこぼすことに期待するしかない。

「やっぱり、耐える時期というのは絶対あるので。自分たちが気持ちを切らさずに、バラバラにならずに今までやってきたこと、継続してきたことを続けられるか。それしかないなと思います。それを貫いたら、最後にもしかしたら良いことが起きるかもしれないですしね」

 原口はそう語る。今のヘルタには、最終的に3位を確定させたレバークーゼンに6点もの勝ち点差をつけていたころほどの強さがあるわけではない。それでも、最終節で残留を決めた昨シーズンから、CL出場権を争うまでに躍進した今シーズンのサッカーが否定されるものではない。残留争いに巻き込まれているチームとは明らかに違う、積み重ねてきたものが、彼らにはある。

 残りの2試合で勝負を分けるのは、それを信じ、その気持ちをプレーに投影できるかどうかだろう。

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