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「九州に根ざした」球団として。
ホークスと選手たちの震災支援。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/04/27 07:00

「九州に根ざした」球団として。ホークスと選手たちの震災支援。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

本震の翌日、4月17日の試合前にヤフオクドームで選手たちによる募金呼び掛けが行われた。

「何をなすべき」「何ができる」「求められる事は」

 ホークス球団は公式サイトを通じて、このような理念を示している。

「福岡ソフトバンクホークスは、『九州に根ざした企業』であり、『プロ野球団(ホークス)』でもあります。

 九州に根ざした企業として、そしてプロ野球団として、『何をなすべきか』、『何ができるのか』、『求められる事は何か』のそれぞれを追求し、被災地への支援を積極的に実行していきたいと考えます。

 被災地域のみなさまに必要な支援は、時間の経過とともに刻々と変化していきます。それをできうる限り情報収集し、必要とされるものを実行していける体制を構築してゆきます」(原文ママ)

 何を、何が、何か――。

 時に選手たちは迷い、悩む。

サポートの姿勢に、迷いも恥じらいも必要もない。

 だが、プロ野球の魅力、そのチカラを発信できるのは、プロ野球選手をおいて他にいない。
彼らが必死になって戦い、懸命にプレーし、夢を達成するためにひたむきに前を向き続ける姿にはいつも強いメッセージが込められている。

 17日の試合では、それまで今季16打席ノーヒットだった吉村裕基が9回代打で登場して起死回生の同点3ラン。続く延長12回の第2打席でサヨナラ2ランを放った。知人によると、熊本の避難所でそれを見ていた人たちが、大声を上げて喜び、その瞬間は笑顔になっていたと聞いた。

 野球選手がグラウンドでプレーするように、我々もそれぞれの立場から、できることがある。それは決して背伸びをすることはないと思う。サポートをする姿勢に、迷うことも、恥じらう必要もないはずだ。

 最後に、「平成28年熊本・大分地域地震」によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

 また、大好きな九州、ふるさと熊本をはじめ大分が一日も早く復旧、復興することを心よりお祈り申し上げます。

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福岡ソフトバンクホークス
内川聖一
長谷川勇也
吉村裕基

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