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快進撃の巨人、監督インタビューで
“高橋野球”の一端が垣間見えた! 

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/04/05 15:00

快進撃の巨人、監督インタビューで“高橋野球”の一端が垣間見えた!<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

1975年生まれの高橋由伸は41歳。12球団中最年少の監督となった。

「やっぱり慎之助を生かすためには……」

 打線のオーダーをどうするか。おそらく高橋監督にとって大きな痛手だったのは、若手の力不足よりも、阿部慎之助の開幕二軍スタートだったのではないだろうか。今季、阿部が捕手に復帰することで、打撃復活を図ろうとしていたからだ。

――捕手復帰した阿部が二軍スタートになりました。

「やっぱり慎之助を生かすためには、キャッチャーの方がいいと思ったし、彼のためだと僕は思った。ただ、コンディションの問題ですからね。慎之助はこれまで強いジャイアンツの象徴だったわけですし、彼がもうひと踏ん張りしてくれる中で、長野(久義)と坂本(勇人)がしっかりしてほしい。慎之助のような存在に2人がなってほしいですね」

 そして、開幕前まで「高橋野球が見えてこない」と言われていたが、その一端が垣間見えた一言があった。

“1番、長野”という高橋野球のミソ。

「僕は使う選手によって野球は変わると思うんです。特に1、2番によって」

 オープン戦は主に1番・立岡宗一郎、2番・重信というオーダーで戦ってきた。ところが、開幕からは長野を1番に置いて、立岡を2番に回した。クリーンアップは坂本、ギャレット、クルーズという並びが確定的だったため、下位打線にさがると予想されていた長野を1番にしたところが、高橋野球のミソだったのではないだろうか。監督の期待に応えるように長野、立岡が確実に出塁するのみならず、各2本塁打。そして2人の頑張りに刺激されるかのように坂本も調子を上げて3割6分1厘と打ち出している。

「監督として自分の色を出す、出さないではなく、まずは勝つか負けるかだと思う」

 そう断言した若き指揮官は、金本監督のような耳目を集める発言こそしない。だが、昨年までともにプレーした選手たちを刺激して力を引き出している。選手を信頼する力、それもまた名将たる資質と言えるだろう。

 Number899号掲載の本編「過酷な運命を受け入れて」では、突然の監督就任要請を受けいれた真意、先発志願していたマシソンを後ろに回した理由、選手たちに求める心構えなど、「高橋野球」のすべてが語られている。
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