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「曲げるスイープ対応」と情報共有。
カーリング世界銀を支えた日本の絆。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2016/04/03 10:30

「曲げるスイープ対応」と情報共有。カーリング世界銀を支えた日本の絆。<Number Web> photograph by AFLO

左から、代表コーチのリンド・ジェームス(カナダ)、本橋麻里、吉田夕梨花、鈴木夕湖、吉田知那美、藤澤五月。

「銀メダルというのはこんなに悔しいのか」

 銀メダルという大きな成果を得た世界選手権。ただ、選手たちはこうも語る。

 藤澤は言う。

「どんなに追い込まれた状況でも、最後、ど真ん中にドローを決めるというのが世界一のスキップ。できたスイスのチームとできなかった私の差です」

 リードの吉田夕梨花はこう語った。

「銀メダルというのはこんなに悔しいのかというくらい、今は悔しさでいっぱいです」

 吉田知那美は、涙を浮かべた。

「正直、メダルを見てもまだ悔しい気持ちで、もっとこうできたんじゃないかなとか思います。あの表彰台に上った3チームで負けて終わったのは私たちだけ。悔しい思いをしているのも私たちだけなので、焦ることなく、またおごらず、ひたむきに1つ1つの大会を頑張っていきたいと思います」

 そして本橋も、「観ていてチームを、日本人であることを誇りに思いました。その気持ちを忘れず、伸びしろはあるという自分たちへの期待とともに精進していきたいと思います」と語った。

 それぞれのメンバーが自分なりの考えと思いを持ち寄り、率直にぶつけあって、1つに織り上げた。

 投げ手の精度、スイーパーの力強いショット、的確なラインコール。1つ1つのショットをみんなで作り上げることができた。

 さまざまな色がまとまったからこそ身につけた強さとともに得た、快挙であるとともに悔しい銀メダルをばねに前を見据える。

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