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「鳥肌を超えて、血が逆流していく」
ハーフナーが代表に抱く興奮と欲求。

posted2016/03/28 18:00

 
「鳥肌を超えて、血が逆流していく」ハーフナーが代表に抱く興奮と欲求。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

背が高い、というのは既に圧倒的な特殊能力である。マイクの成長は、そのまま日本代表の力になる。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 ハーフナー・マイクは己の立場をよく理解している。

 結果を出さなければ、生き残れないのだ、と。

 アフガニスタン戦でピッチに立ったのは後半27分。3-0のリードからさらに引き離すべく、194cmの長身を活かした攻撃のオプションを担おうとした。

「前で体を張って勝負しろ!」

 ヴァイッド・ハリルホジッチの指示どおり前線でクロスボールを呼び込み、後半33分には清武弘嗣のクロスを高い打点で落として金崎夢生のゴールをアシストしている。

 しかし彼の自己評価は「アシストどまり」。そしてすぐに「悔しい」と吐き出した。

「(プレーする時間は)20分ぐらいあったし、もっと自分の良さを出せたとは思う。点を取れる気はしていましたよ。(そのチャンスも)絶対に来るだろうと思っていたんで」

 チームに対して指揮官からは、「マイクが入ったら、彼の高さを活かせ」と明確なメッセージを送られていた。与えられた20分間の“オプション実践テスト”に、マイクは当然ながらアシストだけで満足することはできなかった。

 代表招集はアギーレ時代の2014年10月以来、試合となればちょうどその1年前のベラルーシ戦までさかのぼる。だがいかなる状況、いかなる場面、いかなる形であれ、ストライカーはゴールを奪わなければストライカーではないのだと、その宿命に準じて自己評価基準をよりはっきりさせているように感じた。

希望に満ちたスペイン移籍は絶望に終わった。

 激動の2年を送ってきた。

 欧州で揉まれ、打ちひしがれ、そして這い上がってきた。

 フィテッセで2季連続の2ケタ得点をマークして、スペインのコルドバへ移籍したのが2014年7月。先発の座を勝ち取り、アウェーでレアル・マドリーと開幕戦で戦った。前半終了間際には、左CKに合わせた決定的なヘディングシュートがあったが、わずかに枠の外。もしあの一発が入っていれば、彼の運命はまた変わっていたのかもしれない。

 2部から昇格したチームは勝利が遠く、批判はゴールのないマイクにも向けられていく。監督交代後はチャンスすら与えられず、結局リーグ戦5試合に出場したのみで半年後には契約解除に至った。希望と野望は、絶望へと変わった。

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