フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ウイアーが語る羽生結弦の強さの秘密。
世界フィギュアでの王座奪還なるか?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/03/28 17:30
すでにボストン入りしている羽生結弦。大会に臨む体調も万全とのコメントを出している。
「羽生の成長は予想以上」とウイアー。
ウイアーは、羽生がジュニアの時代に憧れの選手の1人として名前を挙げていたスケーターで、羽生のコスチュームデザインを手がけたこともある。
「彼の成長振りは、あなたの予想を超えていたか」と聞くと、ウイアーは即座に、「超えていました」と答えた。
「彼は、優秀な選手になるだろうということはわかっていた。でもこれほどのレベルになるだろうとは予測していなかった。彼は、ぼくを驚かせ続けてくれています」
1月には来日して、羽生と一緒にアイスショーで演技をしたときのことを、ウイアーはこう語った。
「GPシリーズを終えて、全日本を終えて、へとへとになった選手はアイスショーでは力を抜くのが普通です。でもユヅルはそうではなかった。3アクセルや4回転をバンバン跳んで、まるでこの世に怖いものは何もないようでした」
疑いもなく、最優秀候補はユヅルである、と断言した後で、こう言葉を続けた。
「彼はミスを犯すことを恐れていない。それが彼の強さの最大の理由と思います」
さらに進化した、羽生の新しい一面を目撃できるか?
羽生結弦が12月のGPファイナルで出した330.43の世界新記録は、フェルナンデスが1月に欧州選手権で出した自己最高スコアに28ポイント近くの点差をつけている。
普通に滑れば羽生が優勝する。
世界中がそう予想している中で、彼がどのようにプレッシャーと折り合いをつけて、自分本来の滑りを見せてくれるのか。
また新たな羽生の一面を見ることができるかもしれない。