リリーフ投手力で予想してみると……。

●Number編集部野球担当・T

＜セ・リーグ＞
1位：読売ジャイアンツ
2位：横浜DeNAベイスターズ
3位：阪神タイガース
4位：東京ヤクルトスワローズ
5位：中日ドラゴンズ
6位：広島東洋カープ

＜パ・リーグ＞
1位：福岡ソフトバンクホークス
2位：千葉ロッテマリーンズ
3位：北海道日本ハムファイターズ
4位：東北楽天ゴールデンイーグルス
5位：オリックス・バファローズ
6位：埼玉西武ライオンズ

　打線が4回に一挙3点を先制して、先発投手は6回までノーヒットピッチング――それでも、リリーフ投手が打たれたら負けてしまう。昨年の世界野球「プレミア12」準決勝・韓国戦で、日本の野球ファンは改めてリリーフ投手の重要性を思い知らされました。

　海の向こうMLBで、その傾向はより顕著です。Number884号「MLB最前線2015　加速する『21世紀のベースボール』」で出村義和さんが詳細にレポートしてくれましたが、昨季の覇者ロイヤルズを見てもリリーフ整備は世界一への必須条件。今季はア・リーグ東地区の両雄ヤンキースとレッドソックスが、共にチャップマン、キンブレルという強力リリーフ投手をブルペンに加えて覇権奪回を目指しています。

　そのトレンドに乗っかって、今回は徹底的に「リリーフ投手力」を軸とした順位予想をしてみました。

　セ・リーグ1位には巨人を予想。山口鉄也、マシソン、澤村拓一の3枚が健在なことはもちろん、一時マシソンの先発転向に備えて田原誠次にセットアッパー起用の目処をつけたことも好材料となりそうです。昨季33試合登板の高木京介を欠くのは戦力的にも痛手ですが、そこは3月の侍ジャパン強化試合に追加招集された戸根千明の奮闘に期待します。

　2位にはDeNAを予想。昨季の前半戦首位ターンを支えたリリーフ陣が、今季は終盤までへばることなく投げ抜ければ勝機はあります。一昨季の守護神・三上朋也、本格的にリリーフに転向する須田幸太らが山崎康晃の負担をいかに軽減できるかがポイントです。また、ラミレス新監督が捕手に求める「ブロッキング」が徹底されれば、臆せず落ちる球を投げられるようにもなるでしょう。

　3位の阪神は呉昇桓が抜けた穴を、昨季の最優秀中継ぎ投手・福原忍らベテラン陣がどこまでカバーできるか。若きエース藤浪晋太郎が開幕投手をメッセンジャーに譲ってローテ4番手に回ることも、リリーフ陣にとっては朗報でしょう。藤浪は来週発売のNumber899号で石田雄太さんのインタビューに、「火曜日に自分が長いイニングを投げれば、試合のない月曜日とあわせてリリーフを休ませることができます」とその狙いを語っています。

　4位ヤクルトもバーネット、ロマンが退団。オープン戦で結果を残した新加入のペレス、ルーキ、昨季のセットアッパー・オンドルセクで再結成する「外国人リリーフトリオ」の活躍がセ・リーグ連覇には不可欠です。5位中日は昨季35試合登板の高橋聡文が阪神にFA移籍、同36試合登板の浅尾拓也が右肩痛を訴えていることで、若手リリーフ陣に負担がのし掛かります。6位広島はただでさえリリーフが手薄なところに、前田健太のMLB移籍と大瀬良大地の右肘故障でさらに先発に人員を回さなければなりません。

　以上の観点から、パ・リーグは駆け足で。五十嵐亮太、森唯斗、サファテらロイヤルズさながらのパワーピッチャー軍団を形成したソフトバンクが1位。2位ロッテは西野勇士、大谷智久を内竜也が故障なく支えられれば盤石になるのでは。日本ハムはマーティン、加藤貴之、井口和朋ら新戦力がどこまで通用するか。楽天は青山浩二、福山博之が昨季同様の働きをして松井裕樹をフォローしたい。オリックスは新守護神コーディエの出来次第、長年リリーフがアキレス腱となっている西武は苦戦と予想しました。

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