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湘南・曹監督のブレない心と戦略と。
未勝利続くJ監督の思いを込めた日記。
 

text by

曹貴裁

曹貴裁Cho Kwi-Jae

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photograph byShonan Bellmare

posted2016/03/23 12:00

湘南・曹監督のブレない心と戦略と。未勝利続くJ監督の思いを込めた日記。<Number Web> photograph by Shonan Bellmare

開幕戦の新潟から、川崎F、広島、浦和と強豪クラブと連続して戦うことになった湘南。4月からは……逆襲の時が始まる!

試合を通してプレッシングはかけられていたが……。

<試合結果>

3月20日(日)J1・1stステージ第4節
湘南0-2浦和
(@Shonan BMWスタジアム平塚)

 高い位置から積極的なプレスを仕掛けた湘南は、ボール奪取からチャンスを演出するも得点には至らず。41分には李忠成のミドルシュートがDFの体に当たり、不運な形で先制点を献上してしまう。55分には浦和の巧みなパスワークから中央を崩され、追加点を許した。湘南は終始、徹底したプレッシングを見せたがゴールを割れず、初勝利はまたもお預けとなった。

<試合を終えて>

――「対策」に時間を費やした広島戦とは対照的に、浦和戦に向けては「自分たちの成長」に重きを置いた理由は何でしょうか。

「自分たちの良さを出させようという想いがありました。2試合続けてアディショナルタイムに失点して追いつかれ、そういうところから来るチームの気の流れも含めて考えた結果です。これまでの試合、いい部分も多くあった一方でそういうショックもあったので、それを払拭する意味でも自分たちのストロングポイントに向き合う練習に切り替えました」

――試合前日にプランに修正を加えることには、リスクもあったのでは?

「この時の自分の気持ちは、今考えると少し意識しすぎたところもあったかもしれませんが、あるプランを授けて、勝点3を狙っていく方策の方が選手の勢いを生かせるし、試合を通して選手たちに今どのくらいの力があるのか、その立ち位置がわかりやすいと思い、総合的にプラスになると判断しました。週明けからそういう準備をしてこなかったことについては、完璧なプランだったとは言えませんが、チームや組織というのはプラン通り進むほど簡単なものではない。その決断をすることが監督の仕事として一番大事なので、全く後悔はありません」

――4戦を終えて未勝利という状況に焦りは?

「焦りも重たい空気も全く感じません。結果に一喜一憂することなく自分の信念をチームに落とし込み、それを選手が感じ、選手がある一定の責任のもと自由にプレーする姿を作っていくことが僕の仕事ですから。今回のような、お互いが120km以上走り、スプリントの回数も多い真剣勝負を続けていけば、自分たちの力を伸ばす絶好の機会になる。勝点1も取れず残念ではありますが、この3試合(川崎、広島、浦和)を通じて、経験値をシーズン最初に得られたのは非常に大きいと考えています」

【次ページ】 選手が迷った時、はっきりした方針を伝えるのが監督。

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