サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER

東京世代は、リオ世代をどう見たか。
現U-19選手が語った率直な“距離感”。 

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

photograph byAFLO

posted2016/03/11 12:00

東京世代は、リオ世代をどう見たか。現U-19選手が語った率直な“距離感”。<Number Web> photograph by AFLO

高校選手権のスターも、代表に入れば1選手。小川航基はここでもエースの座を手に出来るか。

「東京五輪世代と騒がれるのはあんまり好きじゃない」

 小川同様、チーム結成から中心選手として活躍してきたのがガンバ大阪の堂安律だ。昨年トップチームデビューを果し成長曲線は順調そのものだが、今シーズンはアデミウソンや藤本淳吾らが加入し、ガンバでは出場機会はおろかベンチ入りも厳しい状況になっている。それでも、リオ五輪最終予選での井手口陽介(ガンバ)の活躍に刺激を受けた。

「リオ五輪最終予選はすごかった。どんな大会でも優勝は簡単にできるもんじゃないですからね。しかも陽介くん、最終予選でめっちゃ成長して帰ってきた。ずっと一緒に練習しているから分かるんですよ、その違いが。陽介くんを見ていると、最終予選という経験はほんまに大きいんやなって思いますし、自分もその場に立って活躍して、もっと成長していきたいです」

 大会前、リオ五輪代表の前評判は決して高くなかった。4大会連続でU-20W杯を逃しているU-19の前評判も同様だ。堂安もそれを感じつつ、東京五輪世代と言われることにも少しばかり違和感を感じている。

「東京五輪世代って先のことばかり言われますけど、その前にU-20W杯がありますからね。東京五輪と騒がれるのは、あんまり好きじゃない。まずはアジアで勝ってU-20W杯で結果を残した後で、東京五輪を期待してもらえるようになりたいなと思っています。

 秋の最終予選は正直、手応えがあります。僕らの代も前評判が高くないですし、アジアで勝てないと言われていますけど、その方がモチベーションが上がります。リオ五輪も同じような状況やったし、だからこそ優勝という結果で見返したいと思いますね。まずは秋の最終予選で結果を出してそういう声を黙らせて、いずれA代表の中心になれるように、とにかく結果を求めてやっていきたいですね」

飛び級でリオを目指す野心家も。

 合宿には手倉森誠U-23監督が連日視察に訪れ、若い世代のプレーを目に焼き付けていた。リオ五輪に出場できるメンバーは18名と、少数精鋭部隊になる。U-19代表から飛び級でその枠に入り込むのは容易ではない。たが堂安のように、「前半戦、活躍してリオを狙いたい。陽介くんには負けられないし、あのチームで一緒に戦いたい」と意欲を示す選手もいる。五輪そのものへの興味もあるが、それだけ一つ上の世代が作り上げたチームに魅力を感じているのだ。

「次は俺たちの番だ」

 今回の合宿中、そんな声が多く聞こえてきた。これも「リオ五輪代表効果」のひとつだろう。リオ五輪代表の活躍がU-19日本代表の選手たちに刺激を与え、大きなモチベーションになっている。気持ちが高まった彼らがこれから10月の最終予選までどのくらい成長していくのか。「次は俺たちだ」と自負する彼らは、そう思わせてくれるだけのプレーを見せてくれるだろうか。

BACK 1 2 3
堂安律
小川航基
初瀬亮
神谷優太
井出口陽介
リオデジャネイロ五輪
東京五輪
オリンピック・パラリンピック

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ