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「盗塁王」から逆算した技術の数々。
オリックス・小田裕也、小兵の生き方。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/02/26 12:00

「盗塁王」から逆算した技術の数々。オリックス・小田裕也、小兵の生き方。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

サッカーボールでトスバッティングをする小田裕也。ルーキーイヤーの昨季は後半に一軍定着。31試合に出場し打率.326。更なる技術研究に余念がない。

一番欲しいタイトルを獲るために。

 この打ち方は、少しでも出塁率を上げるためにと考えた策だ。そしてその先にあるのは、小田がプロの世界で最も手に入れたいタイトル、「盗塁王」である。

「自分の中では一番獲りたい、一番カッコイイタイトルです。だから最終的にはそこを目指して、逆算しています。盗塁につなげるためには塁に出ないといけない。塁に出るためには、そういう打球を打たなければいけない、というふうに」

 昨年は一軍にいた1カ月強の間に6個の盗塁を稼いだ。そのペースを少し上げられればタイトルも夢ではない。ただ、そのためにはレギュラーに定着することが絶対条件だ。

 順調に調整を進める糸井嘉男が外野の一角を占めることが予想されるため、実質的には2つのポジションを小田や駿太、宮崎祐樹、川端崇義、そして新外国人選手のブライアン・ボグセビックらが争う。怪我で出遅れたドラフト1位の新人、吉田正尚も万全になれば強力なライバルとなるし、T-岡田が内野から外野に回る可能性もある。

 厳しい競争の中で勝機を見出すために、野心あふれる小兵は、ひたすら技を磨き続ける。

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