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パトリック・チャンが至高の演技!
四大陸で目撃したフィギュアの真髄。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byAP/AFLO

posted2016/02/24 18:20

パトリック・チャンが至高の演技!四大陸で目撃したフィギュアの真髄。<Number Web> photograph by AP/AFLO

「この大会は、他の選手のことを気にしないようにして臨みました。それが功を奏したと思います」とコメントしたチャン。

フィギュア史において新たな記録を作ったボーヤン。

 SPで1位だった中国のボーヤン・ジンは、SPで2度の4回転を成功させ、フリーではついに4度の4回転に成功。

 全米選手権で、ネイサン・チェンが合計4度の4回転を降りているが、国際大会で4度の4回転は新記録である。またルッツ、サルコウ、トウループの3種類の4回転を1つのプログラムの中で成功させたのも、ISU史上初のこと。ボーヤン・ジンの名前は、ISUの歴史に永遠に刻まれることになる。

「これぞフィギュアスケートという作品を」

 それでも、ジンは僅差で逆転されて2位に終わった。

 18歳のジンは着実に表現力もつけてきており、決してジャンプだけの選手ではない。だがベテランのチャンがベストな演技を見せたとき、ジンの素晴らしいジャンプもかすんでしまった。チャンの貫禄、そして世界一と言われるそのスケーティング技術は、別次元のものだった。

 チャンは競技に戻ってきた理由の1つとして、「これぞフィギュアスケートという作品を世に残したい」と語っていたが、この日の滑りは多くの人々に長く語り継がれることだろう。

 果たしてチャンが、1カ月後にボストンで再びこの演技を繰り返すことができるのか。またライバルが成長するたびに、自分の強さを増幅していく羽生結弦がこれにどのように応えるのか。

 3月には、シーズン最後にして最大の戦いが待っている。

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