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今年のトリプルスリーは広島から?
内川に師事した鈴木誠也が覚醒宣言。 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/02/13 10:50

今年のトリプルスリーは広島から?内川に師事した鈴木誠也が覚醒宣言。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2012年ドラフト会議で二松学舍大付から2位で広島入りした鈴木。長打と足を両立する現代的な外野手だ。

他球団、そして侍ジャパンも注目している。

 他球団のスコアラーも、鈴木について「今年は多少我慢してでも使い続けないとダメでしょう。それだけの素材ですよ」と高く評価する。

 そしてチームでまだレギュラーをつかんでいない状態にもかかわらず、侍ジャパンも注目しはじめている。キャンプを視察した小久保裕紀監督は「外野手として能力が高い。代表も右の外野手は手薄。僕以外のスタッフも注目している」と日本代表候補の1人であることを明言した。

 能力はある。何より、貪欲なまでに野球に取り組める心の強さが魅力的だ。

 入団1年目から、鈴木の高い身体能力には定評があった。'13年9月に'99年の東出輝裕(現打撃コーチ)以来14年ぶりとなる高卒新人野手の一軍昇格を果たし、初安打を記録した。チームはクライマックスシリーズ進出をかけて戦っている最中。期待枠での昇格ではない。

着実なステップアップより、自分の目標が優先。

 翌'14年には一軍での出場を増やし、21U日本代表として出場した第1回21UW杯では首位打者とベストナインを獲得。昨季は開幕戦から「1番・右翼」で起用され、自己最多の97試合に出場した。

 着実にステップアップしているように見えるが、鈴木にとっては悔しさばかりを募らせる3年間だったという。

 球団史に名を残した1年目も、12打数1安打の結果を受け入れられなかった。初めてのシーズンを駆け抜け、素直に「もっと打てた」と感じた。2年目も開幕一軍を逃し、3年目の昨季はレギュラー定着を狙っていた。“自己最多”の出場数も、目標を達成できなければ意味がない。

【次ページ】 東出が感じていたレギュラー定着の予感。

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