フットボール“新語録”BACK NUMBER

ペップの“鬼軍曹化”に選手は不満。
バイエルンが一触即発の火薬庫に。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

PROFILE

photograph byAFLO

posted2016/02/08 11:30

ペップの“鬼軍曹化”に選手は不満。バイエルンが一触即発の火薬庫に。<Number Web> photograph by AFLO

2月6日のレバークーゼン戦では9試合ぶりの無得点でドローに終わったが、グアルディオラ監督は選手たちを称える気遣いをみせた。

非公開練習の内容が外部に漏れる緊急事態。

 情報漏洩はさらに続く。1月31日のホッフェンハイム戦前、非公開練習だったにもかかわらず、『ビルト』紙は「キミッヒが3バックの右センターバックに入った」とすっぱ抜いた。

 今季のバイエルンは、DFにケガ人が続出している。後期開幕のハンブルガー戦でボアテンクが負傷し、さらに翌週の練習中にハビ・マルティネスが膝を痛め、出場できるセンターバックが1人(バドシュトゥバー)になってしまった。そこでペップは中盤のキミッヒをDFにコンバートしたのだが、それが本番前にバレてしまったのである。

「モグラ(スパイ)がいるのでは」

 そんな記者からの質問に対して、ペップは「私がミュンヘンに来たときから、ミーティングの内容が外に出ている」と受け流した。だが、漏れ出てくる内容の深刻度が明らかに増している。

ビダルのアルコール疑惑、そして給与明細事件。

 翌週になると、さらに詳しい内情がわかってきた。2月6日付の『スポーツビルト』誌が、ペップと選手に溝ができた経緯を報じた。

 同誌によれば、ドーハ合宿においてチリ代表のビダルがたびたびホテルを抜け出し、アルコールの匂いを漂わせて帰ってきた(のちにスポーツディレクターのザマーは本人に確認して、これを否定)。

 ペップはこの規律違反に対して、ビダルに罰を与えず、チーム内で規則を作って解決して欲しいとミーティングで言った。だが、選手たちはそれは自分たちの役目ではなく、監督やスポーツディレクターの仕事ではないかと疑問を持った(と同誌はレポート)。これが“告発”の動機になったと思われる。

 リークは止まらず、ビダルが給与明細をロッカールームに忘れ、手取りで800万ユーロもの年俸をもらっていることをチームメイトが知り、嫉妬を買ったというエピソードまで漏れ出てきた。

【次ページ】 選手補強の全権がないことがストレスの原因に?

BACK 1 2 3 NEXT
バイエルン
ジョゼップ・グアルディオラ
マンチェスター・シティ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ