もう1人の1億ユーロ候補はイグアイン。

　イタリアでもう一人、1億ユーロの値をつける選手がいるとすれば、それはナポリの絶対エースFWイグアインだ。

　ポグバへの評価額は将来への期待値も多分に織り込まれた数字だが、ストライカーとして脂の乗り切った28歳のイグアインは、今まさにキャリアの絶頂期を迎えている、と感じさせるペースでゴールを量産中だ。

　20節までの7試合でドッピエッタ(1試合2得点)を達成し、21節終了時点までに挙げたゴール数は21本。1試合につき1ゴールという驚異の得点率で得点王レースを独走しつつ、四半世紀ぶりの首位を走るナポリを牽引する。66年前にFWノルダールによって樹立された、シーズン最多得点記録35ゴールの更新も夢ではなくなってきた。

「ピピータ(※イグアインの愛称)の値段？　うちから彼を連れ出そうというのなら、それなりに高くつくと思ってもらわないと」

　著名な映画プロデューサーとして国際ビジネスに長けたデラウレンティス会長は、26年ぶりの首位快走にほくそ笑みながら、エースFWとの契約延長を画策する。

　'18年夏までの現行契約に設定されている移籍金額は9400万ユーロだが、会長は契約の1年延長に加えて、イグアインの値段を1億ユーロへ上書きする算段なのだ。

　最近、バイエルンのルンメニゲCEOが「イグアインはいい。実にうち好みのFWだ」と発言したという噂もある。欧州ベストストライカーの証であるゴールデンシュー賞を争う勢いのエースには、それだけの値札を張る必要がある。

バッジョを凌ぐペースでゴールを決めるディバラ。

　ポグバとイグアインに次ぐセリエA3番目の高額選手には、ユベントスの新エースFWディバラの名を挙げたい。

　そもそも昨夏にパレルモから引き抜かれたときの移籍金額が大枚4000万ユーロだったが、天才ピルロを彷彿とさせるFKや昨季までのエースFWテベスを思わせる決定力によって、21節までに12ゴールを挙げた。ユーベ1年目の得点ペースとしては、あの名手バッジョすら凌ぐ勢いなのだ。

　チームは序盤の低迷から完全に抜け出し、怒涛の11連勝で2位に浮上した。カンピオナートの主役の一人に躍り出た若武者ディバラの市場評価額は急騰し、伊紙上ではすでに8000万ユーロとの見積もりがなされている。

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