錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
年間21大会で移動距離は地球5周分!
旅人・錦織圭の2015年を振り返る。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2015/12/27 11:10
2015年、オフは2週間だけという日程で戦い続けた錦織圭。
2016年はオリンピックも。
グランドスラム・タイトルを2つ持つ元王者マラト・サフィンは、インターナショナル・プレミア・テニスリーグで来日した折り、錦織について「フェデラーはもうすぐ引退するだろうし、ジョコビッチだってそう長くはない。そうしたらケイの時代だ。ナンバーワンになる」と言ったが、現状がそう甘くはないことは、言っているサフィンも含め、皆知っている。フェデラーさえいなければ29歳という若さで引退することはなかったであろうサフィンのキャリアは同情を買ってきたが、辛口ジョーク好きのひょうきん者の予言には、日本のメディアも苦笑いするしかなかった。
スケジュールの面でも苛酷だ。2016年はオリンピックがある。全米シリーズの途中にあたるので移動の労力はまだましだが、それでもその前週にツアー大会が行なわれているアトランタからも錦織の拠点があるフロリダのタンパからも9時間の空の旅だ。願わくば勝ち進んでほしいデビスカップは、たとえ1回戦でイギリスとのアウェー戦に負けたとしてもプレーオフと合わせて少なくとも2回は戦わなくてはならない。
代表戦が多いということは、かかるプレッシャーも大きいということ。「来年」を見据えて養ってきた体と心の強さが、どこでどう発揮されるか。『頂への挑戦』は続く。