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ロシアW杯まであと2年半――。
日本の歩みを韓国と比べてみると。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/11/20 16:00

ロシアW杯まであと2年半――。日本の歩みを韓国と比べてみると。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

東アジアカップ(2015年)での日韓戦の風景。中国の武漢で開かれたこの試合は、1-1の引分けとなった。

韓国はいいが日本はヤバイ……ではない。

 さて、この話のオチは「韓国が上手くやってるから、日本ヤバイでしょ!」ということではない。

 日韓サッカーのワールドカップ挑戦史を紐解いていくと、こんな事実がある。

「悪いことは、けっして悪いことばかりでもない」

“好調韓国、スムーズではない日本”という構図は、2000年代以降では珍しいものだ。逆の構図がほとんどだった。日本のほうがずっと状態がよかった。

 シンプルにアジアカップの優勝回数だけでも、日本は韓国を圧倒している。日本は4回で韓国は2回。その結果、日本は3回もコンフェデレーションズカップに出場している。'01年には準優勝、'05年はブラジルと2-2のドロー、'13年にはイタリアと3-4のスコアで終わる壮絶な撃ち合いで存在感を示した(韓国は'01年大会にホスト国として出場したが2勝1敗で敗退)。

 それ以外にも、ジーコ時代にはチェコ、オシム時代にはスイス、ザッケローニ時代にはフランスとベルギーをアウェーで破るという、アジアサッカー史でもほとんどない実績を残してきた。

韓国はW杯の準備段階で悲惨な目に遭ってきたが……。

 韓国はいつでも準備期間で「悲惨」ともいえる目に遭ってきた。

 ワールドカップ予選では、モルディブとドロー('06年大会1次予選)や得失点差でギリギリでの予選突破('14年大会)など失態だらけ。前回大会前などは、代理監督を含めると3度も監督交代を経験している。協会との不和、選手との不和などトラブルが立て続けに起きた。

 しかし、実は本大会で結果がいいのは韓国のほうだ。

 韓国がベスト4に入った'02年ワールドカップはいうまでもないし、前回'14年大会なども如実な例だ。

 あれだけ日本の準備段階での成績が良く、韓国が泥沼状態だったにもかかわらず、本大会での成績は……ともに1分2敗。失点も同じく6だった。

 しかし総得点でわずか韓国が1点だけ上回ったのだった(日本2、韓国3)。

 いっぽう、2000年代以降(というか歴史的に1度だけ)、日本がワールドカップ本大会での成績で韓国を上回った大会がある。

 '10年南ア大会だ。

 両国ともにベスト16入りを果たしたが、日本はPK負け、韓国はウルグアイ相手に1-2の敗北だった。公式記録では日本が上回ったといえる。

【次ページ】 「準備段階で悪い方が、W杯本大会で結果がいい」

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