理想のイメージと、アメリカ野球のギャップ。

　しかし、和田の野球理論と、それは矛盾するのではないかと思った。

「最も大事なのは体幹。イメージは、頭からお尻に串がズボって刺さっている状態なんですよ。それをくるくる回せば、腕も振れる。デンデン太鼓のように。中心軸が曲がらず、体の芯をきゅっと回すんです。ただ、インナーマッスルが弱かったり、外側の大きな筋肉が強過ぎると、遠心力がかかって負担は大きくなりますよね」

　それが故障の原因と決めつけるのは乱暴だが、彼はアメリカの野球スタイルには合わないのかもしれないと少なからず感じた。

　さて、日本に帰ってくる和田はどのような準備をするつもりなのか。

「体重を急に落とすことはしないと思います。まずはしっかりと走り込むことですね。メジャーはキャンプが始まると走り込む時間がなかった。自主トレで準備はしていましたが、足りなかったように感じます。走ることは僕の原点なので」

ホークスではかなりの年長組。同級生が1人。

　来年2月のキャンプ中には35歳になる。ホークスに、和田より年上の選手はほとんどいない。しかし同級生が1人いる。松坂大輔だ。

「日本代表で同じユニフォームを着たことはあったけど、まさかですよね。僕らの世代も随分と人数が減ってきました。でもまだまだやれる。ダイスケを先頭にやっていきたいですね」

　今でも十分に強過ぎるホークスだが、先発ローテーションに和田と松坂が健在だとしたら……そう考えると、早くも来シーズンの開幕が待ち遠しくて仕方ない。