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松山、石川、岩田が戦う“格差社会”。
三者三様の異なるスタートライン。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAFLO

posted2015/10/25 10:30

松山、石川、岩田が戦う“格差社会”。三者三様の異なるスタートライン。<Number Web> photograph by AFLO

「苦戦」というイメージで語られることが多い石川遼だが、PGAツアー上位125人のシード選手である。

天井をぶちぬいた松山、床を守り抜いた石川。

 石川と岩田が、今季どの程度の数プロアマに参加できるかは不透明。加えて岩田の場合は、ツアーのルーキー教育を兼ねた大会中のイベント「スポンサーバリュープログラム」への参加義務がある。レッスン会や、関係者との昼食会等に数試合で時間を割かれる。

 プロアマに出られなければ、この開幕戦のように石川と岩田は火曜日までにコースチェックを終える必要がある。松山はどの試合でも水曜日のプロアマ戦を回れるため、年間を通して、当該週のスケジュールが実に立てやすい。

 野球でいうメジャー、トリプルA、ダブルA……、サッカーJリーグでいうJ1、J2、J3、JFL……といったヒエラルキーに倣えば、米ツアーのメンバーは働き場所が一緒で、同じフィールドのライバルという点で、みなメジャーリーガーであり、J1クラブの選手である。

 しかしそこにあるのは、およそ200人のメンバーによる目には見えにくい階級だ。

 松山のようなトップランカーのポジションを得れば、予選ラウンドの組み合わせ然り、前週のプレジデンツカップ然り、超一流選手たちのプレーを肌で感じることもできる。富める者がますます富む世界。だがその下はどうか。厳しい条件、制限された出場機会を活かすほかに、這い上がる術はない。

 松山は本格参戦から2年の間にそれぞれのステージの“天井”をぶち抜き、石川はもがき苦しみながらも、最低限のシードという“床”は守り抜いた。

 世界最高峰のプロツアー。必死の思いで辿り着いたからには、この理不尽かつ厳しい階級社会でたくましく生き抜かなければならない。

 さあ、サバイバルレースのはじまりだ。

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