メディアもハードワークとチャンスメイクを高評価。

　ラスパルマス戦では、スルーパスで決定機を演出し、自身がスペースに走り込みパスを引き出す動きもみせたが、得点という結果にはつながらなかった。

「守備に走って疲れた中でも、最後の部分の精度を上げていかないと。いい形は何度もできている。あとは最後の部分だと思います。いいところでいいスルーパスが来たけど、なかなか決め切れない。決めていればチームも助かるし、自分ものっていけると思う」

　ラスパルマス戦後、『マルカ』紙は7点をつけ、得点を決めたボルハやサウールと同等の、両チーム中2番目に高い評価をつけた。走り回り攻守に貢献したハードワークとチャンスメイクが評価されてのことだ。

　本人が言うように、あとは得点という結果をだすかどうか。それ次第で、さらに高い評価を得られるかどうかが変わってくる。

スペインにきて1カ月でたしかな手応えを。

　10月、W杯アジア予選に挑む日本代表に、乾は招集されなかった。

　しかし落胆の様子はない。チームに溶け込み、スペインサッカーという、望んだ環境を満喫しているようにも映る。

「（代表週で）すこしゆっくりできる。練習もあるし、またアピールしないと。代表週あけはセビージャ、バルサと続くし、難しい試合になるけれど、いい試合をしたい。しっかり準備して、少しでも上にいけるように勝ち点を積みあげていければ。ここでは色んな人に助けられている。こんなに助けてもらえるとは思っていなかった。チームメイト、クラブも含めて」

　スペインに来て1カ月あまり、その顔に浮かんでいるのは、たしかな手応えと充実感だった。