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どこまでも生意気なままで……。
柴田勝頼、黒ショートタイツの心。

posted2015/10/02 15:30

 
棚橋弘至とは1998年入門の同期。中邑真輔とは高校時代にレスリングの全国大会で負けている縁がある。

棚橋弘至とは1998年入門の同期。中邑真輔とは高校時代にレスリングの全国大会で負けている縁がある。

text by

井上崇宏

井上崇宏Takahiro Inoue

PROFILE

photograph by

Essei Hara

 黒いショートタイツに、黒のレガースという“昭和”の佇まい。

 そのシンプルないで立ちは、現在の華やかな新日本のリングでひとり異彩を放っている。

 だが、かつての所属時代は粗暴なファイトが魅力だったが、今は厳しさや激しさだけじゃないプロレスの奥深さを表現してくれているように見える。その姿勢は、古くからの柴田ファンだけでなく新規のプロレスファンたちからも熱い支持を受けることとなった。

 古き良き昭和の香り、男臭い、ストレート、シンプル。ファンの思う柴田の魅力はさまざまだ。

 いまだ黒いショートタイツにこだわり続ける理由について、彼はこう言う。

「コスチュームにしてもTシャツにしても服装にしてもなんでもシンプルなものが結局は一番いいんですよ。何か飾りつけをすると本当の自分が見えてこなくなるんじゃないか。だからずっと黒いタイツ一丁にレガースという必要最低限のものだけ身につけて試合をしている」と。

 そこにはシンプルなコスチュームを身につけることで、ごまかしの利かない肉体作りを常にキープしておかなければいけないというストイックな理由も含まれている。

「だから俺、最近は普段(の下着)も黒ブリーフ穿いてますもん」

 それはちょっと意味がわからないが、いい話だ。

“ストロングスタイル”にはこだわらないが……。

 昭和、昭和と言われるが、かつての新日本プロレスが標榜していた“ストロングスタイル”という言葉にこだわりはない。

 総合格闘技をやっていた頃、思うような結果を出すことができずに苦しんだ。

「あの頃のことは結果が出せなかった以上、俺は何も言えないんですよ。ただ、プロレスラーとしてもっともっと強くなりたい、強いプロレスラーでありたいという気持ちだけは否定されたくない。もし、ストロングスタイルが『強くありたいと思う気持ち、姿勢』のことだとしたなら、その言葉にこだわってみたいような気がしないでもないですけどね」

【次ページ】 「一番強いのは柴田でしょう」の意味。

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