格闘技PRESSBACK NUMBER

とことん熱かったG1クライマックス。
新時代の新日本プロレスを徹底検証! 

text by

プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

PROFILE

photograph byEssei Hara

posted2015/08/18 11:15

とことん熱かったG1クライマックス。新時代の新日本プロレスを徹底検証!<Number Web> photograph by Essei Hara

G1優勝決定戦史上で最長の32分15秒の激闘を制した王者・棚橋。「8年ぶりに夏を極めました。シリーズが長く、勝負がきつかったので充実感が凄い!」とコメント。

 私はふだん「Number Web」では「月刊スポーツ新聞時評」を書かせてもらっているのですが、そもそも新聞や雑誌の読み比べがクセになったのはプロレスが大好きだったからです。

 同じモノを見ているのに媒体によって伝え方が違う、解釈が違う。私が子どもの頃のプロレス情報はそんな感じ。それなら、自分にとっての「真実らしきもの」を行間から探すしかない。プロレスが、モノを見る楽しさを教えてくれたのです。おかげで『教養としてのプロレス』(双葉新書)という新書も出すことができました。

 そんなわけで今回「G1 CLIMAX」の最終日(8月16日)に、「Number Web」から派遣されて潜入してきました。

G1の聖地に、レジェンドの蝶野と武藤が降臨!

 今年で25回目を迎えた新日本プロレスの真夏の祭典。注目の優勝決定戦に勝ちあがってきたのは、Aブロックは棚橋弘至、Bブロックは中邑真輔。

 両選手が入場する前、両国国技館には「蝶野」「武藤」コールの大合唱が起きていた。テレビ中継のゲスト解説として、その2人がテーマ曲にのって登場したのだ。

 思いおこせば「G1 CLIMAX」(以後「G1クライマックス」)とは、闘魂三銃士による新しい季節の宣言だった。

 第1回が開催された1991年。三銃士のなかの“第三の男”蝶野正洋が武藤敬司を破って優勝した瞬間、両国国技館には興奮した観客が投げる座布団が乱舞した。感極まった蝶野はリングを埋め尽くした座布団に倒れこむ。

 気がつくと、リングにいるのは蝶野正洋、武藤敬司、橋本真也の三銃士のみ。そこには長州も藤波も、猪木もいない。

 それまで新日本のサプライズといえば、スキャンダラスで刺激的な猪木風味のことだったが、一転してファンは健全なサプライズに興奮した。リング上も客席もみんなが笑顔。つい数年前に不透明な興行内容に怒ったファンが暴動を起こした同じ両国国技館とは思えない光景だった。

【次ページ】 G1クライマックスとは、ポスト猪木時代の象徴。

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/4ページ
関連キーワード
棚橋弘至
中邑真輔
アントニオ猪木
蝶野正洋
武藤敬司
本間朋晃

ページトップ