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プレミアの得点王に最も近い男は?
岡崎慎司はクラブ内では1番人気に。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2015/08/14 10:40

プレミアの得点王に最も近い男は?岡崎慎司はクラブ内では1番人気に。<Number Web> photograph by AFLO

FWとしてキャリアをスタートしたが、二列目や時にはセントラルミッドフィルダーまでもこなす“万能”ルーニー。得点に専念する今季はどれだけのゴールを生むことができるか。

岡崎はレスター内では1番人気。

 新FWでは、日本人の視点からレスター入りした岡崎慎司も注目される。ブックメイカーの倍率はというと、クラブのスポンサーである『ベットフェア』社でも100倍。つまり得点王候補とは呼べないが、ポジションを争うレオナルド・ウジョアの125倍よりはゴールが期待されていると理解することもできる。開幕前週のプレシーズン戦では、後半途中にベンチを出て同点ゴールに繋がるFKを奪うと最後は逆転のダイビングヘッド。早くもファンに「スーパースター」とチャントで讃えられるようになった。移籍1年目にレギュラーの座を掴めば、それだけでもプレミアの日本人FWとしては立派な成果だ。

ルーニーがマンUのCFとして過ごす最後のシーズンに?

 そしてイングランドの人々は、ウェイン・ルーニーが気になるようだ。11倍という得点王候補3番手を意味するオッズをつけた『スカイベット』社では、最も人気なのがルーニー。母国民による同情票もあるのだろうし、何よりセンターFWとしてマンUで過ごすシーズンは今季が最後になると思われるからだ。

「まだまだ20得点以上は決められる」と言うルーニーも、10月で30歳になる。12年目を迎えたマンUキャリアでは、持前の万能性が仇となって最前線中央を主戦場としたシーズンは過去に2度しかない。3度目の今季でさえも、エディンソン・カバーニをはじめ、噂の新ストライカー獲得が難しくなった結果だ。成績如何ではルイス・ファンハールの監督解任さえあり得るマンUだが、指揮官が誰であれ来夏には新エースの加入が必至だ。

 感情を抜きにした数字の世界でも、ルーニーに期待を寄せる下地はある。センターFWとして過ごした2009-10シーズンと2011-12シーズンの得点数は「26」と「27」。昨季であれば得点王に輝いているはずの数字だ。その昨季も、センターハーフとしてまで起用されながらチーム最多の12得点を決めている。昨夏の時点ではストライカーへのこだわりを認めていた当人には、チャンス到来の今季に期するものがあるだろう。

 マンUの偉人ボビー・チャールトンが持つクラブ歴代最高の249得点まで、あと19得点というモチベーションもある。4-3-3システムを基本と想定すれば、左サイドから絡む新戦力のメンフィス・デパイとはプレシーズンから息が合っている。逆サイドには、フアン・マタより個人技のあるペドロ・ロドリゲスの獲得も濃厚と見られている。

 マンUがチェルシー、シティ、アーセナルとの優勝争いに競り勝つことは、攻守両面での総合力とチームの完成度からして難しいだろうが、ルーニーが僅差で得点王争いを制することは可能だ。得点王が優勝チームから出るとは限らず、昨季はアグエロ、一昨季はスアレスが“ゴールデン・ブーツ”賞を手にしている。

【次ページ】 ジェラードが去ったプレミアのアイコンとして。

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