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日本人初のNFL選手へ、栗原嵩が挑む世界選手権。
~アメフト最高峰へ自己アピール~ 

text by

渡辺史敏

渡辺史敏Fumitoshi Watanabe

PROFILE

photograph byHiroyuki Nakamura

posted2015/07/18 10:30

日本人初のNFL選手へ、栗原嵩が挑む世界選手権。~アメフト最高峰へ自己アピール~<Number Web> photograph by Hiroyuki Nakamura

ベテラン・コンバインではNFLのチームから「傑出した4選手」に選ばれるなど、活躍。

 アメリカ・オハイオ州キャントンにおいて、現地時間の8日から第5回アメリカンフットボール世界選手権が開催されている。日本代表は出場7チーム中3位にランキングされ、奮闘中だ。

 キャントンはプロ・フットボール殿堂がある、いわば聖地的な場所だ。これまで同大会にあまり熱心ではなかったアメリカ代表も、今回はNFLの経験者などを揃え、過去になく意気込みが高い。

 日本代表で注目されているのが、攻撃でパスのターゲットとなるWR(ワイドレシーバー)の栗原嵩(たかし)だ。Xリーグ・IBMビッグブルーに所属し、スピード、フィジカルの両面に優れ、現在「NFLに最も近い選手」と呼ばれる存在だ。

7人制ラグビーの強化担当者も目を見張る身体能力。

 27歳の栗原は法政大学で学生日本一に輝くなど活躍後、パナソニックに入社。当初は学生時代からの足の故障に苦しめられたが、効果的な治療法に出会えたこともあり、2012年にはチームをリーグ優勝に導く立役者となった。

 その後、パナソニックを退社し渡米。本格的にプロへの挑戦を開始した。2013年にはNFLのボルティモア・レイブンズが若手発掘のために開催したルーキーキャンプに参加し、夏の本キャンプ参加を誘われるほどの高評価を得ている。だが、ビザの問題などにより招集が見送られると、翌年も再びルーキーキャンプに参加したものの、ケガで思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。

 しかし身体能力の高さは折り紙つきだ。今年に入るとラグビー男子セブンズの強化担当サイドから声がかかり、シニアアカデミーに練習生として参加したほど。その後3月には、ベテラン選手がNFL契約を目指し能力を披露するベテラン・コンバインに招待され、40ヤード走では参加したWRのなかで2番目に速い4.54秒という好記録を叩き出した。これにより参加したスカウトから再び高評価を得て、引き続きNFLへの挑戦を続けている。

 実は7月下旬に始まるNFLキャンプの直前に行われる今大会への参加については、怪我のリスクなどを懸念する声もあった。それでも栗原は日の丸を背負うことで、さらに自らをアピールする場を得ることを選んだ。そんな栗原の覚悟が、日本代表の好結果へとつながることに期待をしたい。

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