大儀見「ポジションを上げられている手応えはある」

　大儀見のプレーに関して、指揮官はこう説明する。

「大儀見については、もちろんゴールを奪うというところがメインの仕事だと思いますけど、我々のFWはですね、守備もしつつゴールも狙わなければいけない。彼女自身はそういった部分（守備）はやってくれていると思います。彼女が海外に出てタフな選手になれたことは、なでしこジャパンにとって非常にいい財産になっている」

　一定の満足感と守備に対する感謝をしつつも、得点を求めていることは隠さない。

　大儀見自身は、大会に入って自身の得点に関して尋ねられても「得点を取れてるか取れてないかということよりは、この大会で自分のポジションが少しずつ上がってきているということの方が手応えとして感じている。決勝トーナメントに入ってからは、オランダ戦よりもオーストラリア戦のほうがかなり高い位置を取れたし、関わる人数が徐々に増えて来てるから、あとはもう少し自分自身がボールに意識を強めていきたいなと」と、プロセスに関して話すのみだ。

決勝進出を決めたゴールには、伏線があった。

　例えば、イングランド戦のオウンゴールにつながったアーリークロス。大儀見はゴール前に抜群のタイミングで走り込んでおり、指揮官は「川澄と大儀見のゴール」と表する。だがこの一連のプレーには、オーストラリア戦に伏線があった。オーストラリア戦の85分、川澄からアーリークロスが上がり、ニアに走り込んだ大儀見が合わせてシュート。これは右に外れたが、試合後には手応えを話している。

「もちろん決めるべきボールだったと思うんですけど、この大会であそこからアーリークロスが初めて上がって来たので、それに対する驚きの方が大きくて。あそこで入って来たのはかなりでかいなという手応えがあったから、次への可能性としてはかなり大きなものを残せたと思ってます」

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