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「この苦戦を突きつめていかないと」
長谷部誠が語ったシンガポール戦。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph bySports Graphic Number

posted2015/07/01 16:30

「この苦戦を突きつめていかないと」長谷部誠が語ったシンガポール戦。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」、配信は毎週金曜日の予定です。

対強豪国への速さと、アジアでの戦いとのバランス。

――サイドのMFが中に入りすぎて、真ん中でスペースがなくなってしまったという声も挙がっていましたが……。

「中盤の数が途中で2トップになって減ったりはしましたけど、そうなったときに縦の関係にするのか、横の関係にするのかというところで、まぁ(原口)元気が入ってきたときには、多少、縦の関係になるはずだったのが、フォワードにボールが入ったときに、落とすところに人がいないといけない、という部分もあった。ただ、真ん中は相手の守備がかなりしっかりしていたので、こういう結果になった以上は、自分たちが中盤のところで前に行き過ぎた部分はあったのかもしれないです」

――監督が横に手を広げるようなジェスチャーをしていましたが、あれは?

「サイドを使えという風にベンチからは言われていました。サイドからセンタリングもかなり上がっていましたけど……」

――前半はサイドからセンタリングを入れるような場面は少なかったですが?

「前半はどちらかというと、真ん中のところから(の攻撃)が多かったですけど。ただ、そのセンタリングも、後半もあげてはいましたけど、もう少し工夫があっても良かったのかなと」

――監督はサイドを使えという指示を送るものの、長谷部選手の感覚としては、それは難しかったと?

「相手が思った以上にウチのサイドバックに対して、開いて、しっかりとついていたので。サイドチェンジのボールがなかなか上手くいかなかったというのがあった。サイドに入ったときにも、もう少し中を使ってから外(に出す)とか。そうすることによって、サイドが空くので、そこでもう少し上手く……自分たちでサイドのスペースを空けられればと思いますけどね」

――ハリルホジッチ監督がトライしている、縦へのサッカーをやろうとする意識が強すぎたから上手くいかなかったと?

「うーん……そういう意味で言えば、今日みたいに引いた相手に対しては、縦へのサッカーという部分では、非常に難しいと言えば、難しい相手なのかなというのはやっていても感じました。ただ、チャンスが全くなかったわけでもなかった。点が入っていれば、また違う印象になったのかもしれないですけど、こういう引いた相手に対してどういう風にプレーしていくのか……。相手をわざと引き出してスペースを空けさせて、ということもあるだろうし。ただ、今日に関していえば、なかなか点を獲れなかった。みんなボールを取られたら、前からプレッシャーをかけに行こうとは言っていたので」

――縦へのサッカーをするのには「難しい相手」との試合を前に監督が、自身の目指すサッカーの練習をさせたというのは、日本代表がW杯で勝つためにはどうしたらいいのかを長期的に考えてのトレーニングをまずは優先していたと捉えていますか?

「そうですね。それは間違いないと思います。世界で勝つためにというサッカーを考えたときに、自分たちが1タッチ、2タッチで速いサッカーというのは、今までやってこなかったことなので。今までやってきたことにそれをプラスしていけたら、という風に考えていたんですけど」

――予選の最初の試合にむけて気を使っていたと思うのですが。

「それも難しいですね。結果論になってしまうので。自分たちは試合に対してのアプローチという部分では、やれることはやったと思う。それが、結果が出なかったということは、もしかしたら、それが上手くいっていなかったのかもしれない。こういうゲームに関しては、結果が全てなので」

――今まではこういう試合でも勝てたけど、今日は勝てなかったというのは?

「これからこういう相手がアジアの中では増えると思うんです。そういう意味で、もう一度、ほほを叩かれたというか。イラクなんかは、どちらかというと出てきてくれる選手なのでやりやすかったんですけど。逆に、こうやって引いてくるチーム、しかも、ただ引いてくるだけではなくて、かなりオーガナイズされたチーム相手に、やはり、もう少し、バリエーションというか、そういうものを持っていくことは大事なのかなと思います」

このほかにも、大迫勇也、酒井宏樹の声を紹介。データで見る日本人ブンデスリーガーも必読です。
続きは、メルマガNumber「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」で ぜひお読みください。
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