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内田篤人と6人目の監督の相性は?
シャルケ再建を担う新監督は41歳。
 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2015/06/19 11:00

内田篤人と6人目の監督の相性は?シャルケ再建を担う新監督は41歳。<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

若く、情熱に溢れ、新しい戦術観を持つブライテンライター新監督。チームの中軸メンバーの残留もほぼ決まっているようで、内田にとっても期待大の来シーズンになりそう。

 昨シーズン終了後にロベルト・ディマッテオ監督を更迭したシャルケが6月12日、アンドレ・ブライテンライター新監督の就任を発表した。

 メディアが本命視していたクラブOBのマルク・ビルモッツ(現ベルギー代表監督)やアウクスブルクを率いるマルクス・ワインツィアルとの交渉が不発に終わり、いわば第三候補を射止めた格好だ。詳細は明かされていないが、ブライテンライターがクラブ幹部に提案したプラン「成功へのコンセプト」が、招聘の決め手になったという。

 2010年夏にシャルケの一員となった内田篤人にとっては、ドイツで6人目(短期間の指揮を除く)の監督となる。

 過去に師事したフェリックス・マガトやラルフ・ラングニック、フーブ・ステフェンスと比べると、ブライテンライターの履歴書はかなり短い。

 チェルシーを欧州制覇に導いたディマッテオのような輝かしい実績もなければ、いわゆる中堅クラブを率いた経験さえ皆無。就任直前までシャルケU-17の監督だったイェンス・ケラーのように、クラブの内部事情に精通しているわけでもないのだ。

キャリアの浅い青年監督の統率力は未知数。

 本格的に指導者キャリアをスタートさせたのは5年前だ。

 '10-'11シーズンから当時4部のハべルゼで3年間指揮を執り、'13-'14シーズン開幕前に2部のパーダーボルンへ引き抜かれた。この新天地でいきなりクラブ史上初の1部昇格に導く快挙を成し遂げると、翌'14-'15シーズンは降格候補の最右翼と目されたチームを4節終了時点の首位へと押し上げる。その後こそ尻すぼみとなったが、1部の最低水準だった戦力をやり繰りして、最終節まで残留の可能性を残すサプライズを提供。自身の名をドイツ中に轟かせた。

 しかし、1部での経験はその1シーズンのみ。年齢も41歳と若く、ビッグネームが少なくないチームを統率する手腕や求心力を持ち合わせているかは未知数だ。

 シャルケのレジェンドである元ドイツ代表のオラフ・トーンが、現地のテレビ番組で「あらゆる関係者が彼をサポートしなければならない」とあえて口にしたのは不安があるからだろう。

【次ページ】 5年で5人も監督が交代している原因は何か?

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