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ハリルジャパンの新エース候補、
宇佐美貴史が語る「ドリブル論」。 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/06/10 10:40

ハリルジャパンの新エース候補、宇佐美貴史が語る「ドリブル論」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2011年6月、2012年11月の招集時には、出場機会がなかった。今年3月27日のチュニジア戦で4年越しの代表デビューを果たし、31日のウズベキスタン戦では念願の同初ゴール。

6月16日のシンガポール戦を皮切りに、日本代表の
2018年ロシアW杯出場権をかけた戦いが始まる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、
3月の強化試合に続いて宇佐美貴史を招集した。
誰もがその才能を認めてきた宇佐美だが、
23歳にしてそのサッカー人生は波乱に満ちている。
今度こそ大ブレイクを果たすのか。
ハリルジャパンの新エース候補に迫った。

 Number879号のインタビューの当日はガンバ大阪の公開練習日にあたり、クラブハウスの周りをたくさんのサポーターが囲んでいた。クラブハウス内での写真撮影の最中、宇佐美貴史はしきりに窓の外を覗く。

「もともと、僕がサポーターの立場からスタートしたので。熱心なガンバサポーターの両親に連れられて、3歳くらいから万博記念競技場のゴール裏で試合を見ていました。2人の兄が途中でどこかへ遊びに行ってしまっても、僕だけは90分間かじりつくように試合を見ていたと聞きますね」

 Jリーグ開幕の前年に生まれた天才少年は、これまで幾度となく日本サッカー界の未来を担う存在として名前を挙げられてきた。2009年に高校2年生ながらガンバ大阪のトップチームに昇格すると、翌年には7得点を挙げてベストヤングプレーヤー賞を受賞。'11年夏にはバイエルン・ミュンヘンへの期限付き移籍を果たし、その才能を欧州トップレベルで磨いていくものだと誰もが思っていた。

かつての神童としては遅すぎた、3月の代表初ゴール。

 しかしバイエルン、そして翌年に移籍したホッフェンハイムでも思わぬ挫折を味わうことになる。

「ボールが来ないとか、チームのスタイルが自分に合っていないとか。気がつくとそう思ってしまう自分がいました。それが間違っていることに気付いている自分もいるんですけど、上手く行動に表せない。ネガティブな発想がずっと体の中を巡っている、そんな感じでした」

 ドイツで出場機会を失った宇佐美の選択は、当時J2だったガンバ大阪への復帰。「結果が振るわへんかったらもうサッカーを辞めよう」という覚悟で得点を重ね、愛する古巣で'13年のJ1昇格と'14年の3冠達成に大いに貢献した。今年3月には、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が就任した日本代表にも約2年半ぶりに招集。23歳を目前にしての代表戦初出場と初ゴールは、かつての神童としては遅すぎたくらいだろう。

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