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ノルウェーの未来を変える?16歳に集まる母国の期待。
~レアルの新星、ウーデゴール~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byGetty Images

posted2015/06/09 10:00

58分にロナウドと交代でピッチに。1月に加入後、2月にはBチームで初ゴールをマーク。

58分にロナウドと交代でピッチに。1月に加入後、2月にはBチームで初ゴールをマーク。

 5月下旬、あるニュースが北国ノルウェーを熱狂させた。

 レアル・マドリーのノルウェー人MF、マルティン・ウーデゴールがリーガ最終節ヘタフェ戦で、16歳と157日でトップチームデビューを果たしたのである。これはセバスティアン・ロサーダが持っていたクラブ記録を塗り替えるもの。交代したのがC・ロナウドだったこともあり、母国メディアはトップで報じている。

 この試合にはノルウェーから約20人の報道陣が駆けつけベルナベウの記者席を埋めたように、試合前から注目が高まっていた。ウーデゴールは16歳にして同国で最も名の知れたサッカー選手で、人気も急上昇中。いま、最も“売れる”選手なのである。『ダグブラデット』紙は“歴史に残る夢の一日”とし、『アフテンポステン』紙も、彼のユニフォームを買うためスペインまで駆けつけた11歳の少年に密着するなど、デビューを詳報した。

 熱狂はサッカー界に留まらず、ノルウェー労働党の党首ヨナス・ガール・ストーレはTwitterでロナウドとの交代について興奮ぎみにツイート。ウーデゴールを15歳で代表デビューさせたノルウェー代表監督ペル・マティアス・ヘグモ監督も「マルティンにとって歴史的な日だ!」と我が子のことのように喜んだ。

低迷ノルウェーでは救世主扱いも、スペインでは……。

 国全体が彼に注目するのは、ノルウェーの昨今の低迷にも関係している。同じ北欧のデンマーク、スウェーデンに差をつけられており、最後の国際大会出場は15年前のユーロ2000にまで遡る。ラウドルップ兄弟やイブラヒモビッチなどの世界的スターも生んでおらず、ライバルに対する引け目もある。そんな中に現れた16歳は国の希望の星なのだ。

 ノルウェーの熱狂とは反対に、スペインには冷めた見方もある。契約に「週5日はトップチームで練習させる」という条項があるため日々ロナウドらと練習こそしているものの、試合出場は消化試合となった最終節まで待たなければならなかった。今夏もチームには有名選手が加入するはずで、プレー時間を考えるのであればレンタルも視野に入れるべきだ。

 世界トップの環境か、出場機会か。

 新星に未来をかけるノルウェーサッカー界、ウーデゴールという強力なコンテンツを押し出したいノルウェーメディアにとって、この夏最も気になるテーマだ。

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