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監督交代も異例ではないマーリンズの「お家事情」。
~イチローの新指揮官は背広組?~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2015/06/07 10:30

監督交代も異例ではないマーリンズの「お家事情」。~イチローの新指揮官は背広組?~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

ジェニングス監督就任後もチーム状況は変わらないが、イチローは通算安打記録を更新中。

 開幕して2カ月足らずの5月17日、低迷するマーリンズで早くも人事刷新が断行された。開幕前、優勝争いの一角に挙げられながら、そこまで16勝22敗と不振続きだった責任を問われ、レドモンド監督とレアリー・ベンチコーチが、突然、解任された。春季キャンプ以来、同監督と確かな信頼関係を築いていたイチローだけでなく、主力に若い選手が並ぶチーム全体にとってもショッキングな粛清だった。

 代わって新監督に就任したのが、ダン・ジェニングスGM。1986年以来、約30年間にわたってフロントやスカウトを務めてきたものの、プロレベルで監督やコーチの経験はなく、メジャー球界でも異例の転身となった。ただ、GMとして各選手とのシビアな契約に携わってきた一方で、温厚かつ親しみやすい人柄でも知られており、少なくとも「背広組」の肩苦しい印象はない。

 解任劇の直後、言葉少なだったイチローも、「対話を大事にするイメージ。野球を知っていて、徳が高い人だったらいい。発想としておもしろいと思います」と、気持ちを切り替えたかのように前向きに受け止めた。実際、初采配の直前には、ダッグアウト内でユニホーム姿のジェニングス監督に、マーリンズのロゴ入りネクタイを贈呈。「フロントはやっぱりネクタイ、スーツのイメージ。それを取った後はもう監督になるというジョーク」で、緊張気味だった新監督と周囲の空気を和ませる、粋な計らいを見せた。

過去にもジラルディ監督解任など、いわば“恒例行事”。

 もっとも、新体制になったとはいえ、すぐにチーム状態が好転するわけでもない。新監督就任後も連敗は続き、ジェニングス監督がようやく初勝利を挙げたのは、延長13回にサヨナラ勝ちした6戦目。開幕投手を務めたアルバレス、2番手レイトスと先発陣の柱がともに故障者リスト入りするなど、依然として戦力は整備されておらず、投打の歯車も今ひとつかみ合っていない。

 2002年にジェフリー・ロリア氏がオーナーに就任して以来、過去にはジョー・ジラルディ(現ヤンキース監督)、オジー・ギーエンらの監督が解任されており、今回の「お家騒動」もいわば年中行事。今後も低迷が続くようであれば、大型トレードを含め、いつ第2、第3の人事刷新があっても不思議ではない。

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