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南野拓実がオーストリアで二冠獲得!
「強者の戦い」を学び、視線は上へ。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2015/06/05 10:40

南野拓実がオーストリアで二冠獲得!「強者の戦い」を学び、視線は上へ。<Number Web> photograph by AFLO

今季は14試合に出場して3ゴール3アシスト、ELも経験することができた南野拓実。「早く次のステップへ」とビッグクラブへの野心を隠さない男は一足飛びに成長している。

南野「やっぱり、優勝したことです」

 この日の状況で言えば、GKが退場したのだから攻撃の選手を1人外すのは仕方ない。ヒュッター監督は、2トップと両サイドのMFの4人のなかから、外す選手を選ばないといけなかった。南野が悔しさを覚えたのは、その1人になってしまったことだ。

 だから、南野はきっぱりと言い放った。

「それが一番悔しいです」

 厳しい判定をした審判やファールを犯したGK、あるいは簡単に裏をとられたディフェンダーが悪いだなんて考えていない。自分ではできるはずだと思えるプレーを、十分に見せられていない自分に歯がゆさを感じたのだ。

 ザルツブルクにやってきてからの5カ月は、あっという間に過ぎていった。来シーズンは、自らが思い描くプレーを見せられる選手になるしかない。目標はシンプルに、はっきりと見えている。

 日本を離れてきた後悔はない。オーストリアにやってきて良かったと思えた瞬間はいつなのか。そう問うと、南野は即答した。

「やっぱり、優勝したことです。今日とか、リーグ戦とか。今日は(最後まで)ピッチに立てなかったですけど。だからもっと良くするために、次のシーズンから頑張っていきたいなと思います」

 オーストリアの新シーズンは、7月17日から始まるサムソン・カップの1回戦で幕をあける。南野に与えられたオフはわずか3週間だ。すぐに、新たな戦いに向けた準備が始まる。

 ヨーロッパで過ごした初めてのシーズンを締めくくる決勝戦で、南野は手ごたえも感じた。そして、プロになってから2つ目の金色のメダルも手にすることが出来た。

 しかし、この決勝戦の持つ最も大きな意味は、GKの退場というアクシデントが、これからの課題と正面から向き合う「チャンス」を与えてくれたということではないだろうか。

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南野拓実
レッドブル・ザルツブルク

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