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今季の“がっかり”ナンバーワン!?
転落のリバプール、監督人事の行方。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byTomoki Momozono

posted2015/05/30 10:40

今季の“がっかり”ナンバーワン!?転落のリバプール、監督人事の行方。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

サポーターが熱い期待を寄せたロジャーズ。果たして来季もこの光景は見られるのだろうか。

クロップ、アンチェロッティ、ベニテスの名前が……。

 逆にロジャーズ解任となれば、再建作業も振り出しに戻ることになる。後任候補の1人として名前が上がっている人物には、志向するスタイルの近いユルゲン・クロップもいるが、そのクロップにしてもボルシア・ドルムントでのブンデスリーガ初優勝までには、前任地マインツでの7年間を含む10年間を必要とした。他の候補はスタイルの変化を伴う。

 名将クラスのカルロ・アンチェロッティは、さほどポゼッションにはこだわらないタイプ。現役時代の名声が高いミカエル・ラウドルップは、前任地のスウォンジーでロジャーズのチームを受け継いだ際にも、守備的な戦い方を選択肢に加えたがった。ファンの間でリバプール復帰を求める声が根強いラファエル・ベニテスに至っては、まずは後方の堅さに意識がいくという、ロジャーズの対極に位置する監督だ。

 つまり、ロジャーズを切って新監督に昨季なみの成果を即座に求めるのであれば、ベテラン監督でも大物監督でもなく、見つかるはずのない“ミラクルワーカー”を探し出さなければならない。そして現実的にリバプールを待ち受けている可能性が高いのは、監督が次々に変わるだけでチームは停滞という悪夢のシナリオ。

 プレミアには反面教師とすべきトッテナムという例がある。今季も、過去3年間で3人目の監督であるマウリシオ・ポチェッティーノの下、もはや期待外れですらないトップ4圏外でヨーロッパリーグ出場枠に甘んじているチームだ。リバプールが意識すべきは、監督交代に伴う5位トッテナムの後追いではなく、ロジャーズ体制継続による首位チェルシー追撃だと思うのだが……。

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リバプール
ブレンダン・ロジャーズ

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