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サラリーマンGMは、つらいよ……。
~巨人軍、人事制度の問題点とは?~ 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2015/05/29 10:40

サラリーマンGMは、つらいよ……。~巨人軍、人事制度の問題点とは?~<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

4月23日のフランシスコ入団会見での原沢前GM兼編成本部長。

 5月11日、巨人軍はチームの編成部門の責任者だった原沢敦球団代表、GM兼編成本部長(59)のGM職と編成本部長職を解き、後任に読売新聞東京本社運動部の堤辰佳部長(49)が就任する人事を発表した。

 開幕から1カ月余での編成トップの交代は異例と言わざるを得ないが、直接の引き金は4月末のホアン・フランシスコ内野手の獲得だったという。

 開幕からけが人が続出し、原沢GMは長打力不足の解消を狙って緊急補強に踏み切った。発表の際には「3年間追いかけてきた選手」(同GM)と付け焼き刃の補強ではないことを強調した。ところが蓋を開けてみれば5試合で18打数3安打11三振という散々の結果の上に、拙守を連発して二軍落ち。それが「3年も追いかけて何を見ていたのか」と、本社上層部の“逆鱗”に触れたという。もちろんここ数年の編成上の問題も重なり、それが一気に噴出した形である。

 ただ、こうした一連の出来事の裏には、巨人のGM制度そのものの問題点が潜んでいると言えよう。

読売本社の意向、現場の要望の板挟みになる構造。

 巨人がGM制度を導入したのは、2011年のことだった。

 編成の結果責任が不明瞭で、それを明確化して現場と一体となった編成業務をできるようにするのが目的だった。ところが最初にそのGM職に抜擢したのが、代表兼務の清武英利氏だったのだ。

 編成とチーム運営の“二足のわらじ”という歪んだGM制度はそのときから始まっていたのである。

 しかも、GMという専門職ながら、親会社の読売新聞社の“社員”に委ねたサラリーマンGMである。

 本来ならフィールドマネジャーと並立する独立したポジションとして専門家と契約し、編成の全権を与える仕事である。現場が勝つことに全精力を注ぐように、GMもチーム編成にすべての時間を費やす。それがGMの職責である。しかし、巨人の場合は本社の意向と現場の要望という二重構造を土台にGMは立たざるを得ない。そういうサラリーマンの矛盾が常に付きまとう訳である。

【次ページ】 切り札・堤GMは、“清武の乱”などから学べるか?

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