後続馬群から、1頭だけ別次元の脚が！

　行った行ったで決まりかと思われた次の瞬間、後続馬群から、1頭だけ別次元の脚を使い、弾かれたように伸びてくる馬がいた。ストレイトガールだ。

　ストレイトガールは1完歩ごとにケイアイとの差を詰め、ゴールまでラスト2完歩ほどのところで並びかけ、頭差かわしてフィニッシュした。

　勝ちタイムは1分31秒9。ラスト3ハロン（600m）33秒0の脚で差し切った。これが重賞2勝目、初のGI制覇となった。

「後ろからはかわされないだろうと思ってスパートしました。前がしぶとく粘っていましたが、いい切れ味で、馬に助けてもらいました」と戸崎。ストレイトガールはGIで5戦して2着1回3着3回と苦杯を舐めつづけていたが、初コンビの鞍上が見事に結果を出した。

　ケイアイエレガントの吉田豊は、「残り100mぐらいまでは本当にいい感じだったけど、最後に左手前に替えたときに脚が上がってしまいました」と振り返った。

　ケイアイから1馬身3/4差の3着にミナレットが粘り、1-2-3着は5-12-18番人気となり、冒頭に記したように3連単がGI史上最高、JRA全体でも2番目の高配当となった。

ヌーヴォ「追ってから反応がありませんでした」

　4着は3番人気のレッドリヴェール、5着は4番人気のカフェブリリアント、「3、4番手につけられればよかったかも。追ってから反応がありませんでした」と岩田が言うヌーヴォレコルトは6着だった。

　普通、ハイペースになると、序盤飛ばした先行勢が終盤にバテて止まり、後ろにつけた馬が有利になる。

　ところが、このレースはそうならず、逃げたミナレットと2番手のケイアイエレガントが最後まで残り、波乱となった。

　なぜ、この2頭は止まらなかったのか。

　それは、ミナレットとケイアイ、3番手のリトルゲルダの3頭と、そのほかの15頭とが切り離され、「別の競馬」をしたような展開になったからではないか。

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