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本命の低迷と穴馬の大躍進。
~インディアンスとアストロズの明暗~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2015/05/16 10:40

本命の低迷と穴馬の大躍進。~インディアンスとアストロズの明暗~<Number Web> photograph by AFLO

オークランド・アスレチックス戦で、3ランホームランを打ったホゼ・アルトゥーヴェ(中)を祝福するマーウィン・ゴンザレス(左)とクリス・カーター(右)。

 映画にしばしば出てくる台詞がある。「よい知らせと悪い知らせがある。どちらを先に聞く?」という台詞だ。答は大体、決まっている。「バッドニュースを先に」

 大リーグも開幕して40日ほどが経つと、明暗がはっきり分かれてくる。4月中は「春のサプライズ」で片づけられていた現象が、そろそろシリアスに受け止められるようになるからだ。わけても、負の現象は深刻化しやすい。おや? と首をひねっているうちはまだしも、「こんなはずでは……」となると、暗雲が分厚く感じられる。理由や原因も見えてくるだけに、それ相応の対策が求められる。解決策が見つかればありがたいが、もはや手遅れ、今季は絶望、という診断も生じないわけではない。

 前置きが長くなったが、私はクリーヴランド・インディアンスの低調を憂えている。5月11日現在、30戦して11勝19敗。今季はワールドシリーズさえ争えるのではないかと期待していただけに、ア・リーグ中地区の最下位という現状は見るに忍びない。

数字にくっきりと表れる投壊現象。

 スタッツを見ると、これもひどい。

 チーム防御率は30球団中28位の4.75。WHIP(1.45)や被打率(2割7分3厘)も30球団中28位と、投壊現象は火を見るよりも明らかだ。

 ところが、奪三振の数だけは30球団中3位の281個を記録している(1位がヤンキースというのも驚きだが)。稼ぎ手は、ダニー・サラザール(48奪三振/4勝1敗)とコーリー・クルーバー(46奪三振/0勝5敗)。

 ただ、2014年のサイ・ヤング賞投手クルーバーの不調にはだれもが首をかしげる。開幕後3戦まではクォリティ・スタートを維持してきたものの、妙に打ち込まれる癖がつき、現在は防御率も5点台というありさまだ。エースがこれでは、ベンチの計算も立たない。

 だがもうひとつ、見逃しがたいスタッツがある。DER(Defensive Efficiency Ratio)という指標だ。ざっくりいうと、本塁打や四死球や三振を除いたインプレーの打球を守備機会の総数で割り、どれだけアウトにできたかを測る数値。この比率が高ければ守備が堅く、低ければ凡ミスや眼に見えないエラーが多いと考えてよい。

【次ページ】 打たせて取る投手には悪夢の守備陣。

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