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初プレイオフで嘗めた辛酸。怪童デイビスの“試練”。
~NBAペリカンズ、孤軍奮闘の22歳~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2015/05/11 10:00

初プレイオフで嘗めた辛酸。怪童デイビスの“試練”。~NBAペリカンズ、孤軍奮闘の22歳~<Number Web> photograph by Getty Images

 去年9月、ニューオーリンズ・ペリカンズのヘッドコーチ、モンティ・ウィリアムズと若き大黒柱アンソニー・デイビスは、スペインのマドリードでひとつの誓いを交わした。

「いつかペリカンズでも、こういう場に立てるようにしよう。この興奮をニューオーリンズにも持ち帰ろう」

“こういう場”とは、優勝を争う舞台のこと。2人はアメリカ代表のアシスタント・コーチと選手としてFIBAワールドカップに出場し、決勝でセルビアを倒して優勝を果たしていた。

 それから約7カ月後、ペリカンズはレギュラーシーズン最終戦で昨季のNBAチャンピオン、スパーズを倒し、念願のプレイオフ出場の切符を手に入れた。優勝ではないが、チームにとって4年ぶり、デイビスにとっては、NBA3シーズン目にして初のプレイオフ出場だった。

「この試合に勝てたことは大きな意味を持っている」とデイビスは喜んだ。今年もプレイオフを逃したらウィリアムズHCが解雇との噂もあった。それだけに、プレイオフにかける思いは強かった。

平均31.5点、11リバウンドも勝たなければ意味がない。

 初めて経験したプレイオフは、思っていた以上に厳しい舞台だった。トップシードのウォリアーズ相手に、第1戦の最初のクオーターは雰囲気に呑まれ、チーム全体で僅か13点しか取れなかった。ホームに戻った第3戦は、ファンの声援の中、4Q前の時点で20点のリードを奪っていたが、最後の12分で追いつかれ、オーバータイム(延長戦)で逆転されて敗れた。デイビスは活躍するも、4Q最後に勝利を手中に収めるはずだったフリースローを落としてしまった。結局1勝もできずに4連敗でシーズン終焉を迎えた。

 プレイオフ4試合のデイビスのスタッツは平均31.5点、11リバウンド。最初のプレイオフ4試合の平均で30点、10リバウンドを残したのはNBA史上4人目という快挙だが、今はそれも喜べなかった。

「記録のために戦っていたわけではない。シリーズに勝つこと、試合に勝つことに集中していたが、成し遂げられなかった。個人の成績は何の意味もない」

 それでも、プレイオフの厳しさを肌で感じ、負けた悔しさを痛感できたことは収穫だ。敗退後、デイビスは言った。

「今のこの感情は忘れない。それが、来シーズンの武器になるはずだ」

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